寿命について モーターの設計寿命

当社製品の寿命は、お客様の装置の保守・点検時期を決める際において重要な要素と考えます。以下にそれぞれの製品における寿命の考え方についてご説明します。なお、寿命につきましては保証値ではありませんので保守・点検の目安としてご利用ください。

モーターの設計寿命を大きく左右するものが、軸受の寿命です。
軸受の寿命は、以下の2種類で表すことができます。

グリースが熱により劣化するグリース寿命
転がり疲れによる機械的寿命

モーターではほとんどの場合、軸受に加わる荷重に起因する機械的寿命の影響よりも、発熱によるグリース寿命への影響が大きいため、①のグリース寿命が支配的となります。
この軸受グリース寿命に最も影響を与える要因は温度であり、寿命時間が大きく左右されます。このことを簡単に表現したものが下図のグラフです。
このグラフは、軸受の温度が15℃上昇するごとに、軸受グリース寿命が半減するということを表現しています。

モーターの設計寿命

より永くお使いいただくために、モーターの温度を低くする対策をとっていただけると効果的です。
下表に、各モーターの軸受平均グリース寿命の目安を参考として示します。

製品 運転条件 軸受平均グリース
寿命の目安時間[h]
インダクションモーター
運転
連続、一方向
トルク
定格トルク
負荷の種類
一様負荷
速度
定格回転速度
周囲温度
30℃
30,000
ブラシレスモーター 40,000
サーボモーター モーターケース表面温度
80℃で運転した場合
50,000
ステッピングモーター
  • 使用方法や環境条件などの運転条件によって軸受グリース寿命は大きく影響を受けますので、ご注意ください。

ACモーター、ブラシレスモーター、サーボモーター

モーターケース表面温度90℃以下で使用してください。

ステッピングモーター

モーターケース表面温度100℃以下で使用してください。

使用周囲温度や運転デューティの関係でモーター表面温度が低いほど寿命は長くなります。
なおラジアル荷重が大きい場合など、まれに機械的寿命がグリース寿命より短くなる場合があります。

  • AZシリーズは80℃以下、PKPシリーズ/PKシリーズ エンコーダ付は85℃以下です。