「ファンの風量が2倍になれば、冷却効果も2倍になるんですか?」
- 学くん
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ファンを2台使うと、風量は2倍?かなぁ・・・?
- 照代さん
- どうしたの、学くん。資料とにらめっこして。
- 学くん
- 照代さん。実はお客様からプロペラファンについて質問を受けたんです。 冷却効果が足りないので、ファンをもう1台設置したいけど、特性はどう変化しますかって。
- 照代さん
- あら、それで何てお答えしたの?
- 学くん
- ファンを2台並べれば風量は2倍になるかなって思ったんです。
風量が2倍になれば冷却効果も2倍にあがります?よね? - 照代さん
- そう、2台並べて設置すれば最大風量は約2倍になるわ。でも、最大風量が2倍でも冷却効果は単純に2倍にはならないのよ。冷却する筐体内の状態に左右されるからなの。
- 学くん
- そうなんですか?
- 照代さん
- ファンの特性を考える時に大事なことがあったわよね。「圧力損失」って覚えてる?
- 学くん
- 「風の流れにくさ」を表すものですよね?
- 照代さん
- そうね。筐体内に風を送る場合、筐体内の機器が密集していると抵抗が大きくなり、風が流れにくくなってしまうの。この場合、筐体内に空気を押し込む(または引き込む)力である静圧が重要になるの。つまり、十分な冷却効果を得るためには、筐体内の圧力損失を上回る静圧を発揮できるファンを選ばなくてはいけないってわけね。
- 学くん
- そうか~、ファンは風量だけでなく圧力損失も考えて選ばなくちゃいけないんですね。
- 照代さん
- そうよ。下の図は一般的なファンの特性図なんだけど、例えば必要とされる風量がQ1で、その時の筐体内の圧力損失がP1とするでしょ。すると、このファンの場合、静圧値はP2なので必要とされている静圧値P1よりも高いわね。つまり十分な風量が得られるってわけ。
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風量・静圧特性曲線 - それを踏まえてファンの並べ方による特性の違いをみていきましょう。
まず、空間が広く圧力損失が低い場合は、風量を上げられる並列運転が適しているわ。 - 圧力損失が低い場合
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並列 風量-静圧特性曲線と圧力損失の関係
ファン2台を並列に設置する方法 - そして、装置内の機器が密集して圧力損失が高い場合は、静圧を上げられる直列運転が適しているのよ。
さらに静圧を上げたい場合は、吸込口と吐出口までの風の流れができる、プッシュプルのような方法も効果的ね。 - 圧力損失が高い場合
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直列 プッシュプル 風量-静圧特性曲線と圧力損失の関係
ファン2台を直列に
設置する方法
ファンを吸込側と吐出側に
設置する方法 - 学くん
- なるほど!さっそくお客様にご説明します!それと、MRSシリーズのように風量も静圧も大きなタイプなら、初めから大きな冷却効果が得られるし、こちらもご紹介してみようっと。
- 照代さん
- 成長したわ~、さすがね! ご紹介よろしく。
- 2018年2月19日 最新の情報に更新しました。