ステッピングモータードライバの「パルス列入力タイプ」と「位置決め機能内蔵タイプ」の違いは?
- 照代さん
- あら、うちのカタログをじーっと睨んでどうしたの?
- 学くん
- 初めてステッピングモーターを使うお客様がいて、機種を選定して欲しいと言われたんです。
- 照代さん
- そうなんだ。お客様の希望する条件は聞いたの?
- 学くん
- 初めてなので、できるだけ簡単なシステムで動かしたいとおっしゃっていました。
ステッピングモーターで簡単なシステムというと、何を紹介するのがベストかなぁ。 - 照代さん
- まずステッピングモーターの基本システムを考えてみればいいじゃない。最低限必要なものって何かしら?
- 学くん
- 入社したての頃を思い出しますね!モーターとドライバ、パルス発振するためのコントローラが必要です。【図1】
- 照代さん
- そうね。あと、コントローラにスタート指令を送るものも必要ね。でも、全てのステッピングモーターがこのシステムだったかしら?
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- 学くん
- えーっと、あっ、そういえばコントローラが要らない場合もありますね!ドライバにコントローラ機能が内蔵されているタイプがあります。【図2】
- 照代さん
- そうそう、そういうタイプを何て言うんだっけ?
- 学くん
- 「位置決め機能内蔵タイプ」と呼ばれています。コントローラが別に必要になるタイプ【図1】は「パルス列入力タイプ」ですよね!
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- 照代さん
- そうね。じゃあ、それぞれのメリットは分かる?
- 学くん
- えっと、今回のお客様のように、簡単なシステムにしたい場合は「位置決め機能内蔵タイプ」の方がよいと思います。コントローラが要らないので、部品を減らすことができて省スペースで使えます。
よし、じゃあ今回は「位置決め機能内蔵タイプ」の中から紹介しよう! - 照代さん
- ちょっと待って!それだけで決めてはダメよ。「位置決め機能内蔵タイプ」を選ぶ場合は、予めお客様に伝えておかないといけないことがあるでしょう。
- 学くん
- ・・・ん?伝えておくことですか?あっ!コントローラにデータを設定するためのデータ設定器やサポートソフトなどが必要です。【図2】
- 照代さん
- そうね。「パルス列入力タイプ」だと、お客様が持っているコントローラによって設定方法はそれぞれだけれど、コントローラ機能が内蔵されている場合は、ステッピングモーターの移動量や運転速度を、直接設定するための専用ツールが必要ね。
ところで学くん、お客様の運転パターンは聞いたのかしら? - 学くん
- 運転パターンですか?確か往復運転を繰り返すとおっしゃっていました。行きと帰りの速度を変えたいそうです。
- 照代さん
- それなら大丈夫だと思うけれど、運転パターンはちゃんと聞いておかないとダメよ。「位置決め機能内蔵タイプ」は、シリーズによって位置決め点数(※)が決まっているからね。【表1】
- 学くん
- そうか!運転パターンによっては「位置決め機能内蔵タイプ」ではなく、「パルス列入力タイプ」を選んで、お客様の運転パターンにあったコントローラを組み合わせた方がいい場合もありますね。
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【表1】 位置決め点数
ステッピングモーターAZシリーズ256点RKIIシリーズ64点ARシリーズ64点ブラシレスモーターBXIIシリーズ16点電動アクチュエータEAS/EACシリーズ(AZシリーズ搭載)256点DGIIシリーズ(AZシリーズ搭載)256点 - 照代さん
- ところで学くん、オリエンタルモーターで「位置決め機能内蔵タイプ」を用意しているシリーズはすぐ言える?
- 学くん
- えっと、ステッピングモーターだとAZシリーズやRKIIシリーズ、ブラシレスモーターだとBXIIシリーズ、電動アクチュエータだとEASやEACシリーズがあります。
- 照代さん
- ほら、「位置決め機能内蔵タイプ」が追加ラインアップされているでしょう。新製品はいち早くご紹介できるようにならないと!
- 学くん
- そうですよね。お客様の運転パターンをもう一度確認して条件が合えば「位置決め機能内蔵タイプ」も紹介してみます!
- 照代さん
- そうそう、お客様に最適な製品を紹介するのが営業の仕事だからね!
- 学くん
- はい!
※位置決め点数 : 設定可能なデータ(移動量や運転速度など)の数
- 2019年10月3日 最新の情報に更新しました。