PEとFGの違いって何ですか?
- 学くん
- う~ん…
- 照代さん
- あら、学くん。配線図を見ながら何を悩んでいるの?
- 学くん
- お客様から、FGは配線する必要があるか、というお問い合わせを受けたのですが、調べていたらPEが出てきて区別がつかなくなってしまって…。PEとFGの違いをもう一度おさらいしてもいいですか?
- 照代さん
- もー学くん!配線の重要なポイントだからちゃんと覚えてね。まず、PEはプロテクティブアースの略で、日本語だと保護接地と言うの。
- 学くん
- あっ!アースや接地というワードをよく耳にしますが、PEと同じ意味ですか?
- 照代さん
- そう、基本的に同じ意味よ。例えば、洗濯機を設置するとき必ずアース線を取り付けるわよね。
- 学くん
- たしか、漏電した場合に感電を防止するためですよね。
- 照代さん
- なぜ、アース線を取り付けることで感電を防止できるか分かる?
- 学くん
- …。
- 照代さん
- アース線が、人体よりも抵抗が小さくなるからなの。電流は抵抗が小さい方に流れやすいという特性があるのよ。
- 学くん
- もし、アース線を取り付けていなければ、漏電した場合、人体には大きな電流が流れる恐れがあるということですね。
- 上:アース線なしの場合/下:アース線ありの場合
- モーター、ドライバ PE端子の位置(一例)
- 照代さん
- モーターも同じで、PE端子にアース線を取り付けないと感電する恐れがあるからとても危険なの。ちなみに配線するときは、太く、短くがポイントよ。抵抗が小さくなって電流が流れやすくなるから、より効果を発揮するわ。
- 学くん
- なるほど…安全上、絶対接続する必要があるんですね。
- 照代さん
- 学くん。アース線は安全上すごく大切だけど、絶対に必要なものではないの。こちらの資料「感電に対する保護」を見て。
- 学くん
- 何だか難しそうですね。えーと・・・「AC入力製品は基礎絶縁のみのクラスⅠ機器の構造で設計されています」さらに「製品に直接操作者の手が触れられる場合は必ず保護接地を施してください」と書いてあります。つまり、クラスⅠ機器のAC入力製品を作業者が触れる場所で使うときはPEが必要ということですね。
- 照代さん
- 基本的にはそうね。でも中には低消費電力プロペラファン EMUシリーズのようにAC入力だけどクラスⅡ機器の構造で設計されている製品もあるの。クラスⅡ機器はアース線が不要よ。丸型端子の圧着や配線、導通チェックなどがなくなるから作業負担を大幅に減らせるわね。
- 学くん
- お客様のメリットが大きいですね。でもクラスⅠ機器とかⅡ機器とかってあまり見かけないんですが、何を見れば確認できるんですか?
- 照代さん
- 取扱説明書の設置条件に書いてあるわ。こんな感じよ。クラスⅡ機器は右のように書かれていることもあるわ。
- 学くん
- PEは分かりました!ということは、FGって一体?
- 照代さん
- そもそも、PEとFGでは目的が違うの。FGはフレームグラウンドの略で、主にノイズによる誤動作を防止する役割があるわ。
- 学くん
- つまりFGは、機器を正常動作させるために接続しているということですね。
- 照代さん
- その通り!ちなみに、この記号に見覚えはない?
- PEとFGの違い(まとめ)
- 学くん
- そういえば、モーターやドライバ、洗濯機の本体でも見たことがあります。
- 照代さん
- この記号は一般的に使われていて、電気製品にも記載されているのよ。さて、PEとFGの違いは理解できたかしら?
- 学くん
- はい!PEは安全のため、FGは誤動作防止のためにどちらも接続する必要があることが分かりました。
- 照代さん
- これでPEとFGの違いは完璧ね。
- 学くん
- 僕もついにPEになっちゃいましたね~。
- 照代さん
- …?漏電から守ってくれるの?
- 学くん
- いやいや、[P]パーフェクト[E]営業マンってことですよ。
- 照代さん
- …そんなこと言う前に、お客様に回答しなさい。
- 学くん
- …はい。
- 2021年2月22日 最新の情報に更新しました。