「ファンのアラーム回路について教えてください!」
- 照代さん
- 学くん!何をしているの?
- 学くん
-
ショールームに置いてある装置が、きちんと動作しているか点検しているんです。冷却用ファンもちゃんと動いてるな、よしっ!
でも照代さん、このショールームの場合は、すぐに見える場所にファンがついているから良いけど、見えない場所とか、すごく遠くにあったら、点検に行くのも一苦労ですよねー。もう少し簡単に点検する方法って、ないんでしょうか?
- 照代さん
- そうね。良いところに気付いたわね。必ずしも、人のいるところに、装置があるというわけではないものね!
そういう場合は、アラーム回路付のファンをおすすめするのもいい方法よ。
- 学くん
- アラーム回路? それって、停止したらアラームが出るんですか?
- 照代さん
- アラーム回路にもいろいろ種類があるの。
- 学くん
- へぇー。
- 照代さん
- (1) 回転低下検出タイプ(無接点・有接点)、(2) 回転停止検出タイプ、(3) パルスセンサ出力回路の3種類があって、それぞれアラーム方法が違うのよ。
- 学くん
- 何種類もあってわからないなー。どうやって使い分ければ良いんだろう?
- 照代さん
- それはね、どのタイミングでファンからアラームを出力させたいかによって決まるのよ。
- 学くん
- ふぅーん。
- 照代さん
- 例えば、(1) の回転低下検出タイプは、ファンの回転速度の低下によって、装置が故障してしまう可能性がある場合におすすめよ。逆に、ファンの停止後に対処しても大丈夫な場合は、(2) の回転停止検出タイプが適しているわね。(3) のパルスセンサ出力回路は、ファンの回転速度を監視したい場合に便利よ。出力されるパルスによって回転速度を把握できるから、ファンの異常がリアルタイムにわかるの。速度が少しでも下がって装置に悪影響を及ぼす場合には、これがおすすめね。
- 学くん
- ふーん、いろんな種類があるんですね。
- 照代さん
- 例えば、(1) の回転低下検出タイプの場合、外部から電圧をかけて、内部回路のON/OFFでアラームを検出するのよ。MRSシリーズの取付角寸法250mm大型高静圧ファンを例にあげると、
- ※無接点タイプ(オープンコレクタ方式)
-
- 正常に回転している時は、ON(オープンコレクタ出力:ローレベル)、回転が低下してきてアラーム出力時には、OFF(オープンコレクタ出力:ハイレベル)になるの。
- 学くん
- へぇー。そのほかの (2)、(3) も同じように、アラームを検出するんですか?
- 照代さん
- どのタイプでも、外部から電圧をかけるという意味では同じね。ただ、製品、アラーム回路の種類によって多少違う場合があるから、それぞれの仕様を確認してみてね。
- 学くん
- わかりました。このアラーム出力を使えば、ぼくは毎朝の点検をしなくても、大丈夫になるんだー!万が一、何かがファンの羽に引っ掛かり、ファンが止まっちゃったりしても、わかるわけだから、安心ですよね。
- 照代さん
- そうね。
- 学くん
- でも、照代さん。もし、ファンが拘束されるような事態になると、やっぱり、ファンは焼損してしまったりするんでしょうか?
- 照代さん
- ACファンはインピーダンスプロテクトまたはサーマルプロテクタを内蔵しているし、DCファンは焼損防止回路内蔵で過熱保護を施しているので大丈夫よ。
- ※過熱保護の仕様につきましては総合カタログの各仕様のページ、または技術資料をご参照ください。
- 学くん
- そっかー。じゃあ、アラーム回路付のファンを使って、新しいデモ機を作ろうかなー。
- 照代さん
- あんまり頑張りすぎて、学くんの方がアラーム出力しないようにね。
- 学くん
- もうー、やだなぁー照代さん!!
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