誘導電動機(インダクションモーター)の構造
ACモーターは堅牢で信頼性の高いモーター。
「Induction=誘導」の名の通り、電磁気の誘導作用によって回転力を発生するもので、回転磁界を作るステーターと、回転するローターの2要素からできている。

誘導電動機(インダクションモーター)の回転原理
誘導電流で回転させる
少し複雑だが、アラゴの円板を使って説明できる。

円板が磁石の回転方向と同じ方向に回る

ステーター(磁石)が発生させる磁束が、導体であるローター(円板)を通過すると、ローターに起電力が発生し、誘導電流が流れる(フレミングの右手の法則)


磁束と誘導電流の作用から力が生じると、ステーター(磁石)の磁界が回転する方向に力が働きローター(円板)が回転する(フレミングの左手の法則)
回転の原理(アラゴの円板)を動画で見てみよう!
回転速度
ローターは回転する磁束(回転磁界)について回る。回転磁界の速度を「同期回転速度」と呼び、下の式から求めることができる。
実際の回転速度は、無負荷時でも回転磁界速度(同期回転速度)に対して少し遅れる。これは磁束が導体を横切ることで初めて誘導電流が発生し、回転力が生まれることに由来する。

モーターの出力(W数)の決まり方
モーターの単位時間におこなうことのできる仕事を表したもので、モーターの回転速度とトルクにより決まる。

モーターが定格電圧・定格周波数で、最も効率よく連続発生する出力をいう。定格出力を出す回転速度を定格回転速度、トルクを定格トルクという。
一般に出力といえば、定格出力を意味する。
モーターとコンデンサの関係
単相電源入力モーターでは、コンデンサを接続。位相をずらした2相電源を作り出し、回転磁界を作ることでモーターを回転させている。コンデンサをはずしてしまうと回転する磁束が生まれないため、モーターが回り始めないという現象が発生する。また、適切な容量のコンデンサが正しく接続されていないと、磁気バランスが崩れることで、大きな振動や発熱が起こる。
[電源とモーター]
単相モーター
回転を始めない

単相モーター
回転する

三相モーター
回転する
