ステッピングモーター
真空タイプ(真空度10-5~10-4Pa)
- 10-5~10-4Paの真空環境下で使用
- AC/DC入力
特徴 | ステッピングモーター 真空タイプ
真空タイプモーターの特徴と構造
- 放出ガスを抑えるため、モーターケースにはアルミ、ステンレス鋼を使用し、表面は塗装していません。また、軸受けには真空用グリースを使用しています。
- 放出ガスは、通常のクリーンな環境に見られる成分と同じなので、真空環境を汚染する心配はありません。
- ベーキング処理の温度にも耐えられるように耐熱用の巻線を使用しています。
真空タイプモーターのメリット
装置を小型化し、設計の自由度を拡大
大気中にモーターを設置する場合、回転導入機などを使用するため装置が大型になります。真空タイプは、真空環境内にモーターを設置できるため装置を小型化できます。さらにαSTEP ARシリーズなら位置確認用のセンサが不要になるためコストダウンにも貢献します。
αSTEP ARシリーズなら、エンコーダ無しで位置監視が可能
αSTEP ARシリーズは、クローズドループ制御によりモーターの情報を監視するほか、各種アラーム出力機能を搭載しています。高額の真空対応型エンコーダは不要になります。
ローター位置検出センサ(レゾルバ)を搭載しモーターの情報を検出し、モーターを制御します。
真空中でさまざまな動きを実現
半導体製造装置や、電子顕微鏡をはじめとする計測機器など、さまざまな用途に採用されています。
真空タイプのモーターは、回転導入機では設計が困難な、真空環境下での多軸ステージに対応します。真空中で複数軸の組み合わせが可能となり、より複雑な動きを実現させることができます。
低損失のαSTEP ARシリーズは、真空中の解析、加工用途に最適です
低真空中の物資解析、高出力レーザー加工、真空成膜など、真空環境下での位置決め用途で活躍します。
真空環境の品質維持に貢献
放出ガスを抑える設計
放出ガスの発生を抑えるため、モーターの表面の塗装はせず、軸受けに真空用グリースを使用しています。主な残留ガスは通常のクリーンな環境に見られる成分と同じになるため、真空チャンバー内の汚染を心配することなく使用できます。
温度上昇を抑えて真空圧をキープ
通常、モーター電流値の増加にともない、真空圧は高くなります。モーター温度が上昇し、主に巻線や樹脂材料からの水分の蒸発が増えるためです。真空圧を低く保つには、モーター温度を低く保つことが重要です。
モーターの電流値が増加する→モーター温度が上昇する→モーター部品から水分が蒸発する→真空圧が上昇する
αSTEP ARシリーズには、負荷トルクの大きさに応じてモーター電流を調整する機能(CCモード)があります。CCモードで使用すると、モーター温度を低く抑えることができ、真空圧を低く保つことができます。
下図は連続運転とデューティ運転(断続運転)時の回転速度―温度特性です。
- 温度が高くなりやすい連続運転時も、運転速度が900r/min以下ならば、外被温度は100℃を超えません。
- 500r/minデューティ運転時の外皮温度を各モードごと比較すると、CCモード時に46℃、通常モード時に 80℃です。CCモードの方が34℃温度が低くなります。
ラインアップ
電源入力 | シリーズ名 | 基本ステップ角度 [°] |
真空度 [Pa] |
取付角寸法 [mm] |
質量 [kg] |
定価 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
28 | 42 | 60 | 85 | ||||||
AC | 0.36 | 10-5 | - | ● | ● | ● | 0.47~1.9 | 167,300円~ (モーター、ドライバ) |
|
DC | ● | ● | ● | ● | 0.2~3 | ||||
DC | 0.72 | 10-4 | - | ● | ● | - | 0.21~1.3 | 114,400円~ (モーター、ドライバ) |
|
10-5 | ● | - | - | - | 0.11~0.2 |
詳細は支店、営業所、またはお客様ご相談センターにお問い合わせください。
技術資料
テクニカルレポート RENGAでは、真空モーターについて詳しい情報資料を掲載しています。
-
真空用ステッピングモーターとその特性
(2008年11月発行)
真空について基礎的な内容を記載しています。 -
真空対応レゾルバセンサを搭載したARシリーズ真空タイプの開発
(2011年6月発行)
αSTEP ARシリーズの真空に特化した内容を記載しています。