Q.電子ギヤとはどんな機能ですか?また、どのようにして使用するのでしょうか?

A.

電子ギヤとは、1ステップ(1パルス)あたりの移動量を調整する機能です。
たとえば、出荷時の分解能が0.36゜/stepの製品を、0.1゜/step、1゜/stepというように変更することができます。

以下に、回転機構とボールねじ機構を使用した場合の電子ギヤの設定例を示します。

回転機構の場合
ギヤードモーターを使用して、0.01゜/stepで回転させたい。

  • 使用製品
    ARシリーズ 位置決め機能内蔵タイプ
  • 出荷時分解能
    1000 [P/R]
  • 1回転の移動量
    360 [゜]
  • 最小移動量
    0.01 [゜]
  • 減速比
    10 (減速比が10のギヤードモーターを使用)

【電子ギヤの設定値の計算】

\(\begin{align}\text{メカ上の分解能} &=\text{出荷時設定のモーター分解能} \times \frac{\text{電子ギヤB}}{ \text{電子ギヤA}}\\[5pt] &=\frac{\text{1回転の移動量}}{ \text{最小移動量}} \times \text{減速比} \end{align}\)
この例では  \(\begin{align} 1000[\mathrm{P} / \mathrm{R}] \times \frac{\text{電子ギヤB}}{ \text{電子ギヤA}}=\frac{360^{\circ}}{0.01^{\circ}} \times \frac{1}{10} \end{align}\)
よって    \(\begin{align} \frac{\text{電子ギヤB}}{ \text{電子ギヤA}}=\frac{18}{5}\end{align}\)

計算結果より、電子ギヤA=5、電子ギヤB=18を設定することで、0.01゜/stepで動かすことが可能です。

ボールねじ機構の場合
ボールねじを利用して、0.01mm/stepで動かしたい。

  • 使用製品
    ARシリーズ 位置決め機能内蔵タイプ
  • 出荷時分解能
    1000 [P/R]
  • ボールねじのリード
    12[mm]
  • 最小移動量
    0.01 [mm]
  • 減速比
    1 (モーターとボールねじ間に減速機構がないものとします)

【電子ギヤの設定値の計算】

\(\begin{align}\text{メカ上の分解能} &=\text{出荷時設定のモーター分解能} \times \frac{\text{電子ギヤB}}{ \text{電子ギヤA}}\\[5pt] &=\frac{\text{ボールねじのリード}}{ \text{最小移動量}} \times \text{減速比} \end{align}\)
この例では  \(\begin{align} 1000[\mathrm{P} / \mathrm{R}] \times \frac{\text{電子ギヤB}}{ \text{電子ギヤA}}=\frac{12\ \mathrm{mm}}{0.01\ \mathrm{mm}} \times 1 \end{align}\)
よって    \(\begin{align} \frac{\text{電子ギヤB}}{ \text{電子ギヤA}}=\frac{6}{5}\end{align}\)

計算結果より、電子ギヤA=5、電子ギヤB=6を設定することで、0.01mm/stepで動かすことが可能です。

電子ギヤの設定は、製品ごとに設定範囲が異なりますので、詳細は各製品の取扱説明書または ユーザーズマニュアルをご確認ください。
また、電子ギヤの設定をWEBサイト上で簡単に計算できる技術サポートツールをご用意しています。あわせてご活用ください。

製品カテゴリ: αSTEP、 ステッピングモーター 、 サーボモーター
機種・シリーズ: 全般
内容: 使用方法・設定方法
FAQ No.: 265

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