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照代さん。「トルク制御」と「トルク制限」についてお客様から質問をいただいたのですが、違いがよく分からないんです。
しっかりね!「トルク制御」は、トルクを検出し電流指令をフィードバックすることで、トルクをある一定値に保つことよ。 車で例えると平地でも坂道でも設定した速度を保って走るクルーズコントロールね。対して「トルク制限」はモーターに流す電流を制限することで、モーターの発生トルクを抑える「リミット機能」のことよ。車で例えるとスピードリミットね。
なるほど~。
でも、それぞれどんな場合に使うのでしょうか?具体的なイメージがわかなくて…
そうね。「トルク制御」は、不定期に変動する外力が加わっても、トルクを一定にキープしたい場合ね。 例えば、リアルタイムに紙の量やテンションが変動する印刷機の紙送り軸や、重量物を移動する天井クレーンなどのパワーアシストの用途などに活用されているわ。 それに対して「トルク制限」は、必要以上に力がかからないようにする場合におすすめね。巻き取り機の引っ張りすぎ防止や、キャップ・ねじの締めすぎによる破損防止、ピンの圧入・押し付け… 一見、「トルク制御」が必要なのかな?って思う用途でも、ワークにかける力の上限が決まっていれば、「トルク制限」で十分なの。システムも簡単にすることができてコスト低減も期待できるわ。
すみません、「トルク制御」じゃなくても「圧入・押し付け」動作ができるんですか?もう少し詳しく教えてほしいです。
しょうがないわね。シリンダを例に「圧入・押し付け」を説明するわ。「圧入」に求められる動きとしては、ピンなどを所定の位置まで圧入する使い方ね。最初から強い力で入れると根元でピンが折れたり曲がったりするから、 徐々に力を上げたいわよね。この動きは、「トルク制限」と所定の位置から何mmといった「位置制御」を組み合わせた「押し当て運転」という機能で実現できるの。 数mmずつ段階的にトルクの上限を上げて運転すれば、「トルク制御」を使わなくても「徐々に力を上げる」コントロールができるわよ。
「押し付け」の場合は、変形しやすいものを壊さずに押し付ける使い方を期待されることが多いわ。ワークに当たる前で速度を落としてから押し付ければ、衝撃によるワークの破損を防ぐこともできるのよ。
なるほど、位置、速度、トルクをコントロールできるのは、電動ならではのメリットですね。
ちなみに、αSTEP AZシリーズなら押し付ける「時間」も設定できるから、接着・張り合わせる用途など長時間押し付ける必要がある時に便利よ。そうそう、サポートソフト MEXE02を使えばパソコンでリアルタイムにトルクをモニタしたり、変化を波形表示できたり、とっても便利だから必ずチェックしておいてね。
どんどんイメージが沸いてきました。「挟む力」も同じ原理でできますよね。
いい所に気が付いたわね。「挟む力」ではなく、「把持力」と表現されるのよ。AZシリーズには、取付角寸法20mm、28mmの小型・軽量のモーターもあるから、ロボットの先端のチャック機構に取り付けるモーターとしてもおすすめよ。
分かりました。ありがとうございます!
自分に制限をかけずに、これからも頑張ってね。
αSTEP AZシリーズ
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