モーターの音と騒音の関係は?原因や対策などもご紹介
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お客様からご相談を受けたんです。ステッピングモーターを使った装置で「モーターの振動が装置や筐体と共振して騒音になっている場合、どんな対策ができるのか」という内容なのですが、どう答えるべきかと…人によって感じ方って違いますよね、騒音って感覚的な話になりがちで。
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感覚的なことってなかなか難しいわよね。でも、騒音も感覚に頼らず説明できるのよ。まずは、音と騒音の関係を整理していきましょう。音は、大きさ(音圧)、高さ(周波数)、音色(音の波形)の3つの要素からなるの。
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装置の振動が空気に伝わって音として聞こえるはずですよね。
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そう。装置だと部品の素材や剛性、大きさによって振動が変わるし、振動が大きければ音が大きく聞こえるということになるわ。
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騒音ってその中でも騒がしい不快な音ですよね。一般的に何が不快のもとなんでしょうか?
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不快感の主な要因としては、「音圧」と「周波数」があるの。「音圧」は騒音計で測れるんだけど、70dBを超えると「不安」を感じるようになって、更に大きくなればなるほど身体にも影響がでるわ。
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確かに、近くでスピーカーから大きな音が鳴り続けると我慢できなくなってその場を離れたり、ボリュームを下げたりしますね。でも音は大きくないのに、不快に感じる時もありますよね。
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そうね。それは、騒音のもう一つ目の要素「周波数」によるものね。人間の可聴領域で高い周波数は、耳鳴りのような不快感を与えるの。特に、蚊が飛び回る音は、モスキート音と呼ばれているわね。
逆に、人の耳に聞こえない低い周波数の音も、人に不快感や圧迫感を与えることが分かっているわ。低周波は、送風機やポンプなどの大きな機械からが発生しやすいものなの。
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そういえば、年を重ねると高い音が聞こえづらくなるからモスキート音が耳年齢テストに使われていますね。
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更に最近の研究では、黒板をひっかく時の音など特定の範囲:2k~5kHzに対して、人間は敏感に反応することも分かってきているわ。だから、さほど大きな音でない騒音の場合、単に音圧を下げるだけではなく、不快に感じる周波数帯を避けることがポイントになってくるの。どう?音の要素と騒音の関係が理解できたかしら?
今の話を踏まえて学ぶくんは、お客様にどんな騒音対策を提案する?
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まずは…トルクに余裕がある場合、モーターの運転電流を絞ることで振動の振れ幅を抑えることができ、音圧も下げられることを伝えます。次に、モーターの回転速度を変えることで共振周波数をずらして不快に感じる周波数帯の音を避ける提案をします。
他には…筐体の取付面の剛性の補強や、振動を吸収する防振ゴムやダンパなども紹介したいですね。
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さすが!でも、もし装置がまだ評価段階であれば、ぜひCVDシリーズをおすすめしてみて!モーター巻線設計からの見直しと専用ドライバICの開発で低振動・低騒音を実現したの。静かさや低振動を特に求めている方に続々採用頂いているの。
とにかく低振動で静かなのよ。動画で音をきいてみて!
一般的なモーターと低振動で静かなモーター駆動音の比較動画
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本当にびっくりしました。
5相のCVDシリーズの35dBは本当に静かだと実感できますね。早速お客様にお見せします。
モーターの音と騒音の関係 まとめ
音の要素
大きさ(音圧)、高さ(周波数)、音色(音の波形)の3つの要素からなる。不快感のある騒音の主な原因は「音圧」と「周波数」。
- 音圧
騒音計の値 70dBを超えると「不安」を感じるようになり、大きくなればなるほど身体にも影響が出る。
- 周波数
人間の可聴領域で高い周波数は、耳鳴りのような不快感を与える。
有効なモーター騒音対策
- トルクに余裕がある場合、モーターの運転電流を絞ることで振動の振れ幅を抑え、音圧を下げる
- モーターの回転速度を変えることで共振周波数をずらし、不快に感じる周波数帯の音を避ける
- 筐体の取付面の剛性の補強や、振動を吸収する防振ゴムやダンパなどを利用する
騒音対策におすすめの製品
モーター巻線設計からの見直しと専用ドライバICの開発で低振動・低騒音を実現。
静かさや低振動を特に求めている方に採用頂いている。