カーボンニュートラルに向けた企業での現状の見える化と、取り組みによる効果測定は重要といえます。このコラムでは、モーターのCO2排出量の計算方法、CO2削減に貢献するモーターについて、会話形式でご紹介します。
-
-
-
照代さん!お客様から「モーターのCO2排出量を求めたい」というお問い合わせをいただいたので考えていたんです。工場全体のカーボンニュートラルに取り組むにあたって、各装置に使われているモーターのCO2排出量が必要だそうです。
-
なるほど。カーボンニュートラルは最近注目されているからね。CO2排出量はモーターの何が分かれば求められると思う?
-
-
そう!分かってるじゃない。あとは電気事業者が公開しているCO2基礎排出係数(kg-CO2⁄kWh)を掛け算すれば、モーターのCO2排出量が求められるわ。
■モーターのCO2排出量算出式
モーターのCO2排出量(kgCO2)=モーターの消費電力量(kWh)※1×CO2基礎排出係数(kg-CO2⁄kWh)
- 環境省、経済産業省の「電気事業別排出係数一覧」の電気事業者別CO2基礎排出係数を使用。
-
なるほど!「CO2基礎排出係数」は、お客様が契約している電力会社によって違うので注意が必要ですね。
-
そうね、確認していただくようにしっかりご説明してね。ちなみにお客様は何のモーターをお使いなの?
-
出力200WのACモーターにインバータを組み合わせているようです。
-
その場合だったら年間のCO2排出量は521㎏になるわ。
消費電力量(1109kWh⁄年)×CO2基礎排出係数(0.470kg-CO2⁄kWh)=CO2排出量(521kgCO2)
条件
- 1日の駆動時間12h、年間稼働日300日、CO2基礎排出係数0.470kg-CO2/kwhで算出。
- 出力200Wのインダクションモーターと一般的なインバータの場合。
-
-
それと、もしお客様がモーターによるCO2排出量を減らしたいのなら、ブラシレスモーターをご紹介するといいわ。
-
-
そう。ブラシレスモーターの同出力200Wであれば、次の条件の場合年間CO2排出量を386㎏まで減らせるのよ。ACモーターより約25%も削減できるの。
消費電力量(821kWh⁄年)×CO2基礎排出係数(0.470kg-CO2⁄kWh)=CO2排出量(386kgCO2)
条件
- 1日の駆動時間12h、年間稼働日300日、電力-CO2基礎排出係数0.470kg-CO2⁄kwhで算出。
- 出力200WのBMUシリーズの場合。
|
消費電力量 (kWh⁄年) |
CO2排出量 (kg⁄年) |
ACモーター+インバータ |
1,109 |
521 |
ブラシレスモーター |
821 |
386 |
-
ACモーターからブラシレスモーターに置き換えるだけで、CO2排出量を年間135kgも削減できるんですね!
-
135kg⁄年は、冷蔵庫1台分※2の年間CO2排出量に相当するのよ。
-
そう考えると効果が大きいことがよく分かります!モーターのタイプによって消費電力量が違うから、CO2の排出量も変わってくるんですね!でも、ブラシレスモーターはなんでこんなに消費電力量が抑えられているのでしょうか?
-
ブラシレスモーターはローターに永久磁石を使っているから、ACモーターと比べて損失が低減されているの。二次銅損が存在しない所が特に大きな違いね。だから高効率で、消費電力量を削減できているのよ。
|
内部構造 |
モーターの損失種類 |
ACモーター |
|
|
ブラシレス モーター |
|
|
-
それでモーターが効率よく回転するんですね!しかも小型だから省資源にも貢献できますね。
-
その通り!ちなみに、ブラシレスモーターを搭載したECファンも省エネに貢献できるわ。ブラシレスモーターには他にもさまざまなメリットがあるから、このブラシレスモーターのご提案のページもご紹介してみたらどうかしら?
-
- ※1
- ACモーター+一般的なインバータ、ブラシレスモーターの各消費電力量は、お近くの支店・営業所、またはお客様ご相談センターまでお問い合わせください。
- ※2
- 容量450L、3~4人家族向け家庭用冷蔵庫を想定。(出典:環境省 省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」)