慣性モーメント（イナーシャ）

物体の運動状態の変化を妨げる量で、回転体では回しにくさ、止まりにくさを示すものが「慣性モーメント」です。単位は kg･m² です。

慣性モーメントのイメージ

負荷となる回転体を駆動する際、慣性モーメントの値に比例して加速トルクや減速トルクが大きくなります。
下記の図で、2つの車輪は同じ質量と仮定すると、直径の大きい方が慣性モーメントが大きくなります。

モーター選定と慣性モーメント

モーターやギヤには正常な動作や、破損防止などを目的に、慣性モーメントの許容値や数値の目安が設けられています。選定時の注意点として、この目安以下で使用する必要があります。
負荷慣性モーメントが大きい場合は、ギヤヘッドで減速することで使用できる可能性があります。ギヤヘッドを介すことで、モーター軸に加わる慣性モーメントは減速比の2乗で低減されます。 例としてギヤの減速比が2の場合、回転速度は1/2になり、モーターの許容慣性モーメントの4倍の負荷を駆動できます。