1-3. ACモーターの動作原理1(アラゴの円板)

ACモーターは、ステーターとローターのはたらきにより、モーター内部に「磁束」と「誘導電流」を発生させ、回転力を得ています。
ACモーターの動作原理について、アラゴの円板を用いて説明します。

アラゴの円板とは、金属製の円板の表面に沿って磁石を動かすと、磁石を追いかけるように円板が回転する、という現象のことです。

まず、自由に回転できる銅板と、磁石を用意します。
そこに、銅板に磁石を挟むように配置します。磁石は銅板に触れません。

次に、U字磁石を銅板のふちにそって回転させます。
すると少し遅れて、磁石を追いかけるように銅板が回転し始めます。

このように、直接手で触れなくても、何らかの力のはたらきにより、物体を回転させることができます。

アラゴの円板の原理

アラゴの円板の原理は、「フレミングの右手の法則」および「フレミングの左手の法則」によって、説明することができます。

フレミング右手の法則 フレミング左手の法則

フレミングの右手の法則
磁束の発生している場所で、導体が移動したとき、起電力(誘導電流)が発生する向きを示している

フレミングの左手の法則
磁束の発生している場所で、誘導電流が発生したとき、力が発生する向きを示している

この二つの法則を、右手の法則→左手の法則の順に、銅板と磁石の関係に当てはめていきます。

右手の法則 ①磁束が発生
(磁石が近くにある状態)
②導体が移動
(磁石と銅板の位置関係が変化)
||
③誘導電流が発生
(銅板に誘導電流が流れる)
左手の法則 ④磁束が発生
(磁石が近くにある状態)
⑤誘導電流が発生
(③の結果)
||
⑥力がはたらく
(銅板が回転する)
アラゴの円板の原理

銅板の回転する速度は、磁石の移動する速度に比べ、少し遅い速度になります。
「磁束の中を導体が移動する」ことで銅板が回転力を得るため、磁束の移動速度と銅板の移動速度には差がでます。

まとめ

「磁束の発生」している場所で、

「導体の移動」(導体と磁束の位置関係が変化すること)が起こると、

導体に「力がはたらく」

内容についてご不明点はありませんか?お気軽にお問合せください。