2-3. ブラシレスモーターの特徴「速度安定性」

2-3-1 制御方式

インバータとブラシレスモーターの制御の違いについて説明します。

インバータの制御ブロック ブラシレスモーターの制御ブロック

オープンループ制御

クローズドループ制御

インバーターとブラシレスモーターの制御ブロックはほぼ同じです。
違う点は、モーターの後部に速度情報をフィードバックするセンサがあるか、無いかです。
この違いから2-3-2速度変動率2-4幅広い速度制御範囲・フラットトルクの特性も異なります。

インバータに使われるモーターは回転検出器を搭載していないため、速度情報をフィードバックすることができません。
この制御方法を「オープンループ制御」といいます。

ブラシレスモーターは後部にホールICという回転を検出するセンサを搭載しているため、速度情報をフィードバックすることができます。
この制御方法を「クローズドループ制御」といいます。

2-3-2 速度変動率

インバータとブラシレスモーターの回転速度-トルク特性です。
縦軸はトルク(回転力)、横軸は速度となっています。

三相モーター(インバータ駆動)
3-Phase Induction Motor
ブラシレスモーター
Surface Permanent Magnet Motor

負荷トルクが上がると共に回転速度が低下
「オープンループ制御」のため

負荷による速度変動率が大きい
速度変動率(対負荷) -3%~-15%程度

負荷トルクが変化しても回転速度は一定
「クローズドループ制御」のため

負荷による速度変動率が小さい
速度変動率(対負荷) ±0.2%~±0.5%程度

2-3-1制御方式で説明した通り、「オープンループ制御」のインバータは負荷トルクが増えると、速度が下がるため負荷に対する速度変動率が大きくなります。
ブラシレスモーターは「クローズドループ制御」によって、負荷トルクが増えると速度低下を検出し、速度を維持するようにモーターに流す電流値を上げる制御をしています。負荷に対する速度変動率も小さく、対負荷速度変動率は±0.2~±0.5%程度です。

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