3-1. 速度制御原理

ACスピードコントロールモーターは、レートジェネレータからの速度情報をもとに、モーターへの印加電圧を変え、設定された回転速度で回転できるように制御しています。

速度制御の原理

例えば、T0の負荷を加えた状態でN0の速度で回転させようとした場合(O点)を考えます。【Y→O】

まず、ACモーターは性質上安定領域で回転しようとするため、加速してX点で回転しようとします。【O→P】

ここで仮に、モーターが加速してP点に達した場合、モーターの印加電圧をV0からV1へ下げることとします。
すると特性が変化して、モーター発生トルクがPからQへ減少します。
よって、モーターの発生トルクは負荷T0よりも小さくなり、モーターは減速します。【P→QからQ→R】

R点まで減速した後、次は印加電圧をV1からV2に上げることとします。
すると、モーター発生トルクがRからSへ増加します。
よって、モーターの発生トルクは負荷T0よりも大きくなり、モーターはふたたび加速します。【R→SからS→T】

T点まで達すると、印加電圧をV2からV1へ下げ、発生トルクをTからQへ減少させます。【T→Q】

このように、指令回転速度からの増減に応じてモーターへの印加電圧を変化させることで、O点を中心に【Q→R→S→T→Q】のループを描き、回転速度をN1からN2の間に保ちます。
回転速度検出精度をさらに高くしてループを小さくすれば、モーターはO点付近でより安定して回転することになります。

以上の通り、ACスピードコントロールモーターは、モーター回転速度を常時検出し印加電圧を制御することで、不安定領域でもモーターの回転制御をおこなえます。
次のページでは、電圧の大きさを変える制御(位相制御)について説明します。

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