ACモーター レバーシブルモーターの運転時間と温度上昇

レバーシブルモーターは「30分定格」となっていますが、短時間の間欠運転をおこなう場合にも運転条件によって運転時間が変化します。レバーシブルモーターを短時間の間欠で使用した場合、モーターの起動時、および逆転時に大きな電流が流れ発熱が大きくなりますが、モーターの停止している時間を長くとると停止時の自然冷却効果が大きく、モーターの温度上昇を低く抑えることができます。

間欠運転した場合

間欠運転の条件を図1のA~Eのように決めます。Fは連続運転の条件を示します。これらの条件で当社の代表的なレバーシブルモーターの温度上昇を実測してみました。
図2から図8がその結果です。
温度上昇の測定に際しては、モーター単体を宙吊りにして、熱の伝導がほとんどなく、しかもコンデンサランモーターでは温度上昇の面から最も厳しい無負荷の状態で測定しています。
ただし、特にモーターの定格トルクより負荷が大きかったり、慣性負荷が大きい場合には、起動や逆転に要する時間が長くなり温度上昇がより高くなる場合もありますのでご注意ください。
例えば4RK25GN-CW2Eの温度上昇は、巻線温度上昇で80℃以下、モーターケース温度を90℃以下に抑えて運転するように、注意が必要です。
図5 4RK25GN-CW2Eでは、運転時間と停止時間が同じであれば(条件A、B)連続して間欠運転ができることがわかります。(条件C、Dの場合が限度となります。)また、出力の大きなモーターほど時間が短くなります。

図1 運転サイクル
  • 図2 0RK1GN-CW2J(50Hz 200V)の間欠運転
  • 図3 2RK6GN-CW2E(50Hz 230V)の間欠運転
  • 図4 3RK15GN-CW2E(50Hz 230V)の間欠運転
  • 図5 4RK25GN-CW2E(50Hz 230V)の間欠運転
  • 図6 5RK40GN-CW2E(50Hz 230V)の間欠運転
  • 図7 5RK60GE-CW2E(50Hz 230V)の間欠運転
  • 図8 5RK90GE-CW3E(50Hz 230V)の間欠運転

表1には、図2から図8の温度上昇測定に使用した放熱板のサイズを示します。

表1:放熱板のサイズ

品名 サイズ(mm) 厚さ(mm) 材質
0RK1GN-CW2J 80×80 5 アルミニウム
2RK6GN-CW2E 115×115
3RK15GN-CW2E 125×125
4RK25GN-CW2E 135×135
5RK40GN-CW2E 165×165
5RK60GE-CW2E 200×200
5RK90GE-CW3E 200×200

放熱板を付けた場合

表2には、図9の温度上昇測定に使用した放熱板の種類を示します。
これらの測定結果から、放熱板のサイズを倍にすると約10℃は温度上昇を抑えられます。また、鉄よりアルミニウムの方が熱伝導が高いので温度上昇も低くなり、アルミニウムを黒色塗装することで、さらに約5℃低くなることがわかります。

モーターの温度は負荷条件、運転サイクル、モーターの取り付け方、周囲温度などの条件によって変わります。これらのデータですべてを判断することは難しく、ひとつの判断材料にしてください。

図9 4RK25GN-AW2J+4GN3S+放熱板(50Hz 100V)(ギヤヘッド4GN3Sを組み付け、放熱板に取り付けたとき)

表2:放熱板の種類

温度上昇曲線 放熱板の種類
サイズ(mm) 厚さ(mm) 材質 塗装
L
M 150×150 5 なし
N 150×150 5 アルミニウム なし
O 300×300 5 なし
P 300×300 5 アルミニウム なし
Q 300×300 5 アルミニウム 黒色