ファンモーター 風量と静圧と装置冷却効率の関係
圧力損失の考慮
装置・機器に最適なファンモーターは、装置内部の実装密度の違い(空気の通りにくさ)によって異なります。
-
実装密度が高い
=圧力損失が大きい
=内部構造や機器などが送風の抵抗となるようにレイアウトされており、空気が通りにくい -
実装密度が低い
=圧力損失が小さい
=内部構造や機器などが送風の抵抗にならず、空気が通りやすい
実装密度が高い場合は、静圧が高いファンモーターを、実装密度が低い場合は、風量が大きいファンモーターを使用すると、 効率よい冷却をおこなうことができます。
ファンモーターの設置方法と風量―静圧特性の違い
ファン2台を並列に設置する方法 | ファン2台を直列に設置する方法 | ファンを吸込側と吐出側に設置する方法(プッシュプル) | |
---|---|---|---|
イメージ図 | |||
このような場合に | 装置内の圧力損失が低く、風量を上げたい場合に適しています。 |
以下の場合に適しています。
|
吸込側から吐出側への空気の流れができるため、効果的な冷却が可能です。
|
風量―静圧特性※ |
- ※ MU1238A-11Bの場合
周辺機器の取り付けによる風量―静圧特性の変化
ファンモーターを機器に組み込む際に、フィンガーガードやフィルターなどの周辺機器を取り付けることにより機器全体の安全性、信頼性を向上させることができます。しかし、周辺機器が送風抵抗となり、ファンモーターの特性面、騒音面に影響を及ぼしますので、このことを考慮に入れてファンモーターや周辺機器を選定する必要があります。
取付角119mmのファンモーター用周辺機器について圧力損失を測定したのが右図です。損失はフィルターが最も大きく、フィンガーガードはほとんど損失がありません。
MU1225S-11を例にとり、周辺機器を取り付けた場合に特性がどのように変化するかを下図に示します。
図からわかるように、取り付ける周辺機器の圧力損失が大きいほど風量―静圧特性の低下につながります。