2-3. 負荷保持機能 ― 電磁ブレーキについて

ACモーターの負荷を保持したいときは、電磁ブレーキ付モーターを使用します。

こちらのページでは、電磁ブレーキの役割と動作原理について説明します。

電磁ブレーキ付モータ

2-3-1. 電磁ブレーキの役割

当社の電磁ブレーキ付モーターには、無励磁作動型の電磁ブレーキを搭載しています。
無励磁作動型の電磁ブレーキとは、電源OFF時に、負荷を保持することができる機構です。
インダクションモーターやレバーシブルモーターに比べ、オーバーランが小さい点も特徴です。

アプリケーション例

  • 停電時のワークの落下を防ぐことができます
    停電時のワークの落下を防ぐことができます
  • 垂直方向のリニアヘッド駆動にも最適です
    垂直方向のリニアヘッド駆動にも最適です

2-3-2. 電磁ブレーキの動作原理

電磁ブレーキの構造と動作原理

図:電磁ブレーキの構造と動作原理

電磁ブレーキ付モーターには、モーター後方に摩擦ブレーキが内蔵されています。
ブレーキライニングを、ブレーキハブに押し付けることにより、負荷を保持します。

ブレーキライニングは、鉄製のアーマチュアと一体構造になっています。
左図は、モーターが運転しているときの、電磁ブレーキの状態です。

モーター運転中は、励磁コイルに電流が流れます。
鉄製のアーマチュアは、通電により電磁石になった励磁コイルにひきつけられます。

これにより、ブレーキライニングとブレーキハブが離れ、モーター出力軸がフリーになります。

モーター停止中は、コイルスプリングがアーマチュアを押し出します。
これにより、ブレーキライニングとブレーキハブが接触し、負荷を保持します。

電磁ブレーキ付モーターの接続図

電磁ブレーキ付モーターを運転するときは、動力線と、電磁ブレーキ線を接続します。
電磁ブレーキ線は、電磁ブレーキ内部の励磁コイルに繋がっています。電源の接続がない限り、モーター軸はロックされたままです。

下図は、電磁ブレーキ付モーターの接続図の一例です。

図:電磁ブレーキ付モーターの接続図

また、電磁ブレーキ線を電源に接続するときは、接点保護用のサージキラー(R0C0)を配線してください。

接続方法の詳細は、4-4. 電磁ブレーキ付モーターの配線にて説明します。

関連情報

電磁ブレーキ付モーターの寿命について、当eラーニングの後半で説明しています。

3-3. ACモーターの寿命

まとめ

無励磁作動型の電磁ブレーキは、電源OFF時に負荷を保持することができ、上下駆動などに最適である

電磁ブレーキは、モーター軸に摩擦ブレーキをかけることによって、負荷を保持している

電磁ブレーキ付モーターの運転時には、動力線と電磁ブレーキ線の両方を電源に接続する

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