ギヤヘッド/リニアヘッド 許容慣性モーメント(J)
ギヤヘッドに連結されている慣性モーメントが大きい場合、頻繁な断続運転の起動時(または電磁ブレーキおよびブレーキパックによる停止時)に、瞬間的に大きなトルクが発生します。 この衝撃負荷が過大であると、ギヤヘッドおよびモーターの破損につながる場合があります。
組み合わせるモーターの特性に合わせ、ギヤヘッド出力軸における許容慣性モーメントを示しています。 頻繁な断続運転によって衝撃負荷が発生するような場合には、許容慣性モーメント内の負荷であっても、起動/停止の回数は200万回を目安にしてください。
GNギヤ、BHシリーズなど、組み合わせモーターでの許容慣性モーメントの値がない場合は、以下の式で算出できます。
ギヤヘッドの許容慣性モーメント
-
- 減速比1/3~1/50の場合
- JG = JM × i2
- 減速比1/60以上の場合
- JG = JM × 2500
-
- JG
- ギヤヘッド出力軸許容慣性モーメント
J(×10-4kg·m2)
- JM
- モーター軸許容慣性モーメント
J(×10-4kg·m2)
- i
- 減速比(例:減速比1/3 の場合 i=3)
上式では、減速比1/60以上では、部品の設計強度より、慣性モーメントが制限されることを意味していますが、 一般的には、ギヤヘッドで減速することで、ギヤ出力軸上の慣性モーメントは、モーター軸における慣性モーメントの減速比の二乗倍大きくなります。 つまり、減速することで、大きな慣性モーメントを駆動することができるようになります。
モーター軸における許容慣性モーメント
取付角寸法 | 出力(W) | モーター軸における許容慣性モーメント J(×10-4kg·m2) |
---|---|---|
42mm角 | 1W、3W | 0.016 |
60mm角 | 6W | 0.062 |
70mm角 | 15W | 0.14 |
80mm角 | 25W | 0.31 |
90mm角 | 40W | 0.75(1.1) |
60W | 1.1 | |
90W | 1.1 | |
104mm角 110mm角 120mm角 |
200W | 2 |
- ( )内はKⅡシリーズを使用した場合の値です。
ご注意
ACモーター(三相電源)との組み合わせでは、瞬時正逆運転をおこなわないでください。 モーターの起動トルクが大きいため、早期破損の原因となります。
回転方向を変更する際には、一旦停止してから逆転するようにしてください。