5-1. イナーシャ比の確認

選定したモーターと装置におけるイナーシャ比が適正であるか、確認します。(イナーシャ比の詳細はこちらを参照してください)
イナーシャ比の確認には、3-4. 負荷慣性モーメントの算出で求めた全負荷慣性モーメントの値と、4-2. 必要トルクの確定で確認したモーターのローター慣性モーメントの値を使用します。

イナーシャ比の計算式

\(\bbox[5pt, border: 1px solid black]{\begin{align} \text { イナーシャ比 } = \frac{\text{装置の全負荷慣性モーメント}\ [\mathrm{kg}\cdot\mathrm{m^2}]} {\text{モーターのローター慣性モーメント}\ [\mathrm{kg}\cdot\mathrm{m^2}]\ \times\ {\text { 減速比 }^2}} \end{align}}\)
  • ※ ギヤードタイプ使用におけるイナーシャ比の計算式です。ギヤードタイプ以外のモーターでは、減速比を1として計算します。

イナーシャ比の目安

対象機種 イナーシャ比
αSTEP 30以下
5相ステッピングモーター(モーター/ドライバ)
2相ステッピングモーター(モーター/ドライバ)
30以下
  • ※ 表中の値を超えるときは、ギヤードタイプを使用する(ギヤードタイプの場合は減速比を大きくする)ことをおすすめします。

ご注意

イナーシャ比が上表の値を超える場合、モーターが駆動しない、セットリングタイム(最後のパルス入力から、ローターの振動が完全になくなり停止するまでの時間)が長くなる、など問題が発生する恐れがあります。

イナーシャ比の計算例

3-4. 負荷慣性モーメントの算出で求めた装置の全慣性モーメント(JL)と、4-2. 必要トルクの確定で確認したモーターのローター慣性モーメント(J0)をもとに、イナーシャ比を確認します。

装置の全負荷慣性モーメント [kg・m2] JL = 3.03 × 10-4 イナーシャ比の目安
(参考値)
30以下
ローター慣性モーメント
[kg・m2](参考値)
PKE564 J0 = 160 × 10-7
  • PKE564の場合

    \(\begin{align} \text { イナーシャ比 } & = \frac{{J_L}}{{J_0}}\\[ 5pt ] & = \frac{3.03\ \times 10^{-4} \ [\mathrm{kg}\cdot\mathrm{m^2}]}{160\ \times 10^{-7} \ [\mathrm{kg}\cdot\mathrm{m^2}]}\\[ 5pt ] & = 18.9\end{align}\)

イナーシャ比の確認をした結果、最終的にPKE564を選定することができました。

上記のような標準(丸シャフト)タイプだけでなく、ギヤを組み付けたギヤードモーターをご用意しています。
ギヤードモーターを使用することで、様々なメリットがあります。詳しくはこちら

3-4. 負荷慣性モーメントの算出で求めた装置の全慣性モーメント(JL)と、4-2. 必要トルクの確定で確認したモーターのローター慣性モーメント(J0)をもとに、イナーシャ比を確認します。

装置の全負荷慣性モーメント [kg・m2] JL = 8.99 × 10-4 イナーシャ比の目安
(参考値)
30以下
ローター慣性モーメント
[kg・m2](参考値)
PKE566 J0 = 0.27 × 10-4
PKE569 J0 = 0.54 × 10-4
  • PKE566の場合

    \(\begin{align} \text { イナーシャ比 } & = \frac{{J_L}}{{J_0}}\\[ 5pt ] & = \frac{8.99\ \times 10^{-4} \ [\mathrm{kg}\cdot\mathrm{m^2}]}{0.27\ \times 10^{-4} \ [\mathrm{kg}\cdot\mathrm{m^2}]}\\[ 5pt ] & = 33.3\end{align}\)
  • PKE569の場合

    \(\begin{align} \text { イナーシャ比 } & = \frac{{J_L}}{{J_0}}\\[ 5pt ] & = \frac{8.99\ \times 10^{-4} \ [\mathrm{kg}\cdot\mathrm{m^2}]}{0.54\ \times 10^{-4} \ [\mathrm{kg}\cdot\mathrm{m^2}]}\\[ 5pt ] & = 16.6\end{align}\)

イナーシャ比の確認をした結果、最終的にPKE569を選定することができました。

上記のような標準(丸シャフト)タイプだけでなく、ギヤを組み付けたギヤードモーターをご用意しています。
ギヤードモーターを使用することで、様々なメリットがあります。詳しくはこちら

3-4. 負荷慣性モーメントの算出で求めた装置の全慣性モーメント(JL)と、4-2. 必要トルクの確定で確認したモーターのローター慣性モーメント(J0)をもとに、イナーシャ比を確認します。

装置の全負荷慣性モーメント [kg・m2] JL = 37.4 × 10-4 イナーシャ比の目安
(参考値)
30以下
ローター慣性モーメント [kg・m2] J0 = 0.064 × 10-4
ギヤードモーターのギヤ比 i = 7.2
\(\begin{align} \text { イナーシャ比 } & = \frac{{J_L}}{{J_0}\times{i^2}}\\[ 5pt ] & = \frac{37.4\ \times 10^{-4} \ [\mathrm{kg}\cdot\mathrm{m^2}]}{0.064\ \times 10^{-4} \ [\mathrm{kg}\cdot\mathrm{m^2}]\ \times\ {7.2}^2}\\[ 5pt ] & = 11.27\end{align}\)

イナーシャ比の確認をした結果、最終的にPKE545(PSギヤードタイプ、減速比7.2)を選定することができました。

PSギヤードタイプのほかにも、複数のギヤードタイプをご用意しています。
ギヤードタイプには、モーターの分解能を調整すること以外にも、様々なメリットがあります。詳しくはこちら

以上でモーターの選定計算は終了です。
最後に、カタログ上で、ドライバタイプ・電源電圧・ケーブルの長さ・付加機能の有無などを選択し、品名を確定してください。
RKⅡシリーズの品名の見方はこちら

また当社では、ステッピングモーターと機構(ボールねじ機構、回転機構など)を組み付けた、電動アクチュエータをご用意しています。
機構部品の選定や図面の作成にかかる時間が短縮され、設計の生産性向上に貢献します。
電動アクチュエータのラインアップについては、こちらをご参照ください。

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