αSTEP・ステッピングモーターの選定判定基準を見直しました

日頃はオリエンタルモーター製品をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。
この度、αSTEPおよびステッピングモーターの選定判定基準を以下の通り変更します。

変更点

  1. 加減速レート
    判定条件から外します(値の制限をなくします)。
  2. 変更前

    対象 モーター部取付角寸法[mm] 加減速レート
    TRS[ms/kHz]
    αSTEP 20, 28, 42, 60, 85 0.5以上
    5相ステッピングモーター 20, 28, 42, 56.4, 60 20以上
    85 30以上
    2相ステッピングモーター 20, 28, 35, 42, 50, 56.4, 60 50以上
    85 75以上
  3. イナーシャ比
    ローター慣性の30倍以下を目安にします。
  4. 変更前

    対象 モーター部取付角寸法[mm] イナーシャ比
    αSTEP 20, 28, 42, 60, 85 30以下
    2相/5相ステッピングモーター 20, 28, 35 5以下
    42, 50, 56.4, 60, 85 10以下

    変更後

    対象 モーター部取付角寸法[mm] イナーシャ比
    αSTEP 20, 28, 42, 60, 85 30以下
    2相/5相ステッピングモーター 20, 28, 35 30以下
    42, 50, 56.4, 60, 85 30以下

    ※ イナーシャ比が大きいと、セットリングタイムに影響が出る場合があります。

変更理由

αSTEPおよびステッピングモーターは、運転速度NMと必要トルクTMで表される 運転領域がプルアウトトルクの内側に収まっていれば、目的の装置を運転できます。オリエンタルモーターでは選定したモーターがより確実に運転できるように、 加減速レートとイナーシャ比の参考値を設けてきました。

運転領域
  1. 加減速レート
    パルス発振器が出力するパルス信号は加減速時のパルス速度が階段状に変化しており、急激な加減速になるほど段差が大きくなります。
    上記基準を設定した1990年代前半頃のパルス発振器は、加減速時にパルス段差の大きい製品がありました。(図1参照)
    しかし現在のパルス発振器は段差が少ない滑らかな出力できるようになっています。(図2参照)
  2. 図1
    パルス発信機の変化前
    図2
    パルス発信機の変化後
  3. イナーシャ比
    加減速レートの判定基準を見直すのにあたり、現在のパルス発振器・ドライバを使用し、高イナーシャ比での動作試験を繰り返し実施しました。
    結果、2相/5相ステッピングモーターでも安全率を確保していれば、イナーシャ比30倍での動作が問題なくできることを確認しました。

以上のことから、より最適なモーターを選定いただくために判定基準を見直します。