防塵・防水規格モーター(IP67)水洗い防水試験
経年劣化を考慮した「水洗い防水試験」 - 当社独自評価 -
IP表示による保護等級は新品の状態のモーターに対する防塵・防水性の評価です。
実際には、モーターを使用しているあいだに、シール部品(Oリング)が劣化していき、初期の防水性が確保できなくなる可能性があります。
そこで、シール部品の経年劣化を考慮した当社独自の評価基準である「水洗い防水試験」を実施し、モーター内部に水の浸入がないことを確認しています。
当社独自の「水洗い防水試験」※
- ① ヒートショック試験
- シール部品(Oリング)に5年相当の熱劣化を与える
- ② 振動試験
- モーターに振動を与える
- ③ 放水試験
- 100kPaの水圧の水をかける
- ※ 当社独自の条件・方法による試験であり、無故障を保証するものではありません。
対象製品
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クルクル・ポンの簡単操作と、モーターとドライバを接続するだけの簡単配線。周波数に依存せず、速度安定性に優れたブラシレスモーターです。
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16速までの速度設定やトルク制限が可能です。周波数に依存せず、速度安定性に優れた小型・高出力・高効率のブラシレスモーターです。
試験条件
①ヒートショック試験(温度急変試験)
シール部品(Oリング)に5年相当の熱劣化をあたえる。(IEC 60068-2-14)
- 設定温度
- 低温 -24℃、高温 100℃
- 放置時間
- 低温 85分、高温 75分
- サイクル数
- 110サイクル
②振動試験
以下条件の振動を与える。(IEC 60068-2-6 付属書C)
振動数範囲 | : | 10~150Hz・10~60Hz | : | 両振幅 0.7mm |
・60~150Hz | : | 加速度 50m/s2 | ||
振動方向 | : | 3方向(X、Y、Z) | ||
掃引サイクル数 | : | 各方向20回 |
③放水試験
シール部品が存在する箇所に対して、水圧100kPa、流量100L/minの放水試験をおこなう。
- 判定基準
- モーター内部に水の浸入がないこと。

試験内容
まず、上記①のヒートショック試験にて、5年相当の加速劣化をおこないます。
温度急変試験による加速劣化の考え方は以下の通りです。

- L2
- 試験サイクル数
- L1
- 期待サイクル数
- ΔT 1
- 使用条件の温度差[℃]
(モーター外被温度上昇量+モーター周囲環境の温度変化量)
- ΔT 2
- 試験条件の温度差[℃]
ここで、期待サイクル数は温度変化の回数で、1日の温度変化を1サイクルとカウントします。
今回の想定である5年分のサイクル数は1825となります。
また、試験条件の温度条件は、Oリングの使用温度範囲内に収めています。
このような条件から、試験サイクル数を算出しています。
また、シール部品が振動によってずれることも考慮して上記②の振動を与えています。
防塵・防水仕様のブラシレスモーター(IP67)は、100kPaの水圧で水洗いすることを想定しており、上記③の放水試験に反映しています。