AZシリーズ搭載の垂直多関節ロボットを速く動かしてみた!

やってみた!

~ 減速比が大きかったり、ソフトの制限があったりする中での最速運転をやってみた! ~

AZシリーズ搭載の垂直多関節ロボットデモ機で、どこまで速く動かせるかチャレンジしてみました。

システム構成

システム構成

上位制御
キーエンス社 KV-8000+KV-XH16ML MECHATROLINK-Ⅲ

使用製品
DGM130R-AZAK, AZM66MK, AZM46MK, AZM24AK, EH4-AZAKH, AZD2B-KM3, AZD3A-KM3
(以降HDS社)CSG-20-100-2UH-LW-SP, CSF-11-100-2UP-SP-C, CSF-8-100-2UP-SP-A

最速チャレンジにあたり、このデモ機には速度に関する制限がありました。

  • 軸2~4のギヤ減速比が100で、速度上限はAZM24,AZM46で35r/min、AZM66で30r/min。
    ギヤ減速比50だとモーメントに余裕なく、速度を上げられませんでした。
  • ロボット制御はファンクションブロック(キーエンス提供)を使用。
    常に補間運転(演算)しながらの動作でもあり、演算との追従性をみながら速度を上げていきました。
  • 軸1は中空で減速比18、速度上限は600deg/sの仕様です。

実機で確認していきたいと思います。
普段は安全面からカバーで覆っていますが、今回は撮影のため、安全を確認した上でカバーを取り外しています。
まずはワーク無しで動作させました。ロボットの設定速度は300mm/s、加速・減速は10mm/s/msです。

これ以上速度を上げると共振音が大きくなりました。加速・減速もこれ以上高くすると、停止時にピタッと停止しません。
各軸の検出速度を見るには、MEXE02の波形モニタが便利です。

次にワーク有りの動作をやってみました。金属ワークでは、どこかに飛ばして破損させては困りますので、柔らかなワークで実験しました。EHシリーズ(把持)は開いて25mmの幅なので、ワークはフェルト素材の球体Φ20を使っています。

フェルト素材の球体Φ20
すべり止めなど無いフィンガ

フィンガもすべり止めなど無い直線的なものに交換しました。
グリッパ(EHシリーズ)の最大把持力は25Nですが、トルク制限50%で運転させています。さらに把持力を下げると十数回繰り返しているうちにワークが目視で大きくズレました。
ロボットの設定速度は300mm/s、加速・減速は4mm/s/msです。安定して動作できました。なおこれ以上、加速・減速を上げるとワークのズレや落下が発生しました。

追加で、もう少し具体的な活用例として、ビン容器仕分けを想定した動作をやってみました。
フィンガを円筒把持用に変更。φ10~20の小瓶の仕分けを人の代わりに作業するイメージです。
ロボットの設定速度は150mm/s。容器内の液体を大きく揺らさない速度はこれぐらいが上限です。
人の指よりも狭い隙間でも、正確な位置にピック&プレイスが実現できます。

いかがでしょう、自働化に使えそうでしょうか?

  • ※ デモ機を用いて実機確認したものですので保証値ではありません。
    特にEHグリッパの把持力はフィンガ、摩擦、加速度等で大幅に変化するため、十分に余裕を持つ必要があります。

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フェルト素材の球体Φ20
すべり止めなど無いフィンガ