自動化装置の簡単・安価な開発を後押し

日経ものづくり2022年12月号に掲載された記事をご紹介します。
人手不足や人件費高騰に対応するため、生産ライン自動化の必要性に迫られている製造業企業が増えてきました。オリエンタルモーターは、ロボットなど、製造現場の要求にあったカスタム仕様の自動化装置を、簡単かつ低コストで開発・製作できる自動化支援プラットフォームを提供しています。垂直多関節ロボットを安価で、さらにはレイアウトフリーの自動化ラインも実現できる、足元の課題解決から未来のライン構築まで幅広い要求に応えるオリエンタルモーターの取り組みについて、商品企画部部長*の白畑貴宏に話を聞きました。
*2022年当時

はじめに

事業競争力を高めるため、あるいは現在の事業を維持するため、あらゆる業界・規模の工場が、これまで人手に頼っていた作業の自動化を急いでいます。これまで自動化に消極的だった企業も、さらには自動化の対象ではなかった作業でも、自動化に取り組む例が増えています。特に搬送や部品・製品のハンドリング(取付け、取出し、仕分けなど)といった、人手に頼りがちでありながら、それ自体では付加価値を生まない作業の自動化が求められています。多くの企業が、貴重な人材はより付加価値の高い作業に配置したいと考えるようになりました。また液晶パネルのように、作業への人の介在を最小限に抑えてクリーンな環境で生産したい製品も増えています。
さらに近年、1つのラインで作業の手順や内容が異なる複数製品を作り分ける現場が増えてきました。製品のライフサイクルが短くなり、生産ラインの構成を頻繁に入れ替えているところが多いのも現状です。加えて、電源仕様が異なる国や地域へのグローバル展開が求められる場合もあります。こうした変化に柔軟対処できる自動化を実現するためには、ライン構成の変更と海外展開を考えた電源の設計を前提とした手段が必須になります。

モーター制御をもっと身近に 自動化装置の内製を支援

自動化する際には、現場の状況や自動化の目的などに合わせて、最適な手段を選択する必要があります。様々なFA メーカーやロボットメーカーから多様な自動化ソリューションが提供されていますが、出来合いの自動化ソリューションでは、機能や性能面で「帯に短し、たすきに長し」の状況になってしまうことが多いです。限られた予算の中で、現場に適合した効果的な自動化を実践するため、自動化装置を自社でカスタム開発したいと考えるところが増えてきました。ところが、自動化装置を開発するためには、機械設計や電気系の設計、制御のソフトウエア開発など多様で高度な知識とスキルが必要です。簡単には自動化装置を内製できません。それでもカスタム開発にこだわれば、SIer に外注することになり、すぐに1000 万円以上の費用が掛かってしまうのが現状です。
あらゆるモーションニーズに向けた多種多様なモーターを提供するオリエンタルモーターでは、こうした多くの製造業企業が自動化で抱えるジレンマを解消すべく、装置内製を支援する手段を提供しています(図1)。多軸のモーター制御が必要になるロボット、例えば水平スカラや垂直多関節など現場での要求に合った自動化装置を、高度な知識やスキル不要で簡単かつ安価に開発・製作できる自動化支援製品とサービスです。オリエンタルモーターは、2021年にロボットコントローラ「MRC01」を市場投入しました。位置・速度の高精度な制御が可能なバッテリレスアブソリュートセンサ搭載「αSTEP AZシリーズ」とそれを搭載した電動アクチュエータを対象にして、PLCを使ったシーケンス制御の経験がない機械技術者でも自作ロボットを簡単に導入・制御できる製品です。マウス操作で動きを指定し、コマンドを選ぶだけで自作ロボットの初期設定と動作を簡単に指定できる専用ソフト「MRC Studio」も用意。ラダーやCなど、プログラミング言語を使わず、ロボットの制御が可能です。

図1 オリエンタルモーターが提供するロボットの内製化支援製品の一例:
ロボットコントローラMRC01と専用ソフトであるMRC Studio

多関節ロボットを安価で、レイアウトフリーの自動化も実現

オリエンタルモーターが提供する製品とサービスを利用すれば、垂直多関節ロボットも安価で開発・製作できます。小型・軽量、DC電源入力(バッテリ駆動対応)の製品群「モバイルオートメーション対応製品」なら、さまざまな自動化のシーンに柔軟対応できます。例えば、バッテリ駆動を想定した駆動電圧の変動にも対応するブラシレスモーターを利用すれば、安定稼働が可能な搬送ロボット(AGV/ AMR)が実現します。また、AZシリーズで駆動する垂直多関節ロボットのような加工や移載などの作業を行うロボットを搬送ロボット上に載せて、自律移動させ自動作業を行うといった使い方も実現可能です。また、オリエンタルモーターのDC 電源入力のモーター・ドライバを利用すれば、自動化装置の小型化やバッテリ駆動、電源のDC電源入力化が可能になります。この特徴を生かして自動化装置のサイズを規格統一しモジュール化すれば、必要に応じて生産ラインの構成を柔軟に変更できるレイアウトフリー化が実現できます(図2)。グローバルに展開した際、国によって電源電圧・周波数が異なっても設計変更不要でそのまま使えます。
オリエンタルモーターはあらゆる方式のモーターを提供するメーカーです。自動化に関する多様で膨大な採用実績を保有しておりますので、作業の自動化を検討する際には、装置の内製化も視野に入れて、まずオリエンタルモーターにご相談ください。

図2 小型・軽量、バッテリ駆動が可能なDC電源入力製品が
レイアウトフリーの自動化ラインを実現可能に
(上)自動化装置のサイズを規格化したモジュールを組み合わせて
レイアウトフリー自動化ラインを構築
(下)自走する搬送ロボット上に自動化装置を載せて自動化ラインを自律的に構成

日経ものづくり  2022年12月号掲載  一部修正  © 日経BP  不許複製

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