Q.ステッピングモーターに通電したところ、シャフトが少し動きました。なぜですか?

A.

電源投入時、巻線(ステーター)が励磁されローター(永久磁石)を引き付けるため、シャフトが動きます。

その理由について、ステッピングモーターの構造と動作原理を交えてご説明します。

ここでは、5相ステッピングモーターを例に取ります。【図1参照】 5相ステッピングモーターの場合、ステーターは5相10極からなり、ローターは、外周上に50枚の小歯が刻まれています。ローターの小歯のピッチは7.2°です。
ステッピングモーターはパルスが入力される毎にA相→B相→C相・・と励磁する相を切り替え、10パルス入力したときにローターの小歯ピッチである7.2°動くようになっています。
そのことから、1相励磁したとき、隣の相ではステーターの極とローターの小歯の間に0.72° (小歯のピッチ÷10極)の機械的なずれがあります。

ステッピングモーターは、基本的にオープンループ制御であることから、電源投入時には必ず初期励磁相(A相)に電流が流れます。
そして、A相の極とローターの小歯が引き合う状態になります。
このとき隣のB相では、極とローターの小歯の間で0.72°のずれがあります。

【図1】A相励磁の場合
【図1】A相励磁の場合

次に1パルス入力されるとA相→B相に励磁する相が切り替わります。今度はB相の極とローターの小歯が引き合うため、ローターは0.72°動いて止まります。(このときA相では、極とローターの小歯との間に0.72°のずれが発生します。)【図2参照】

この状態で電源を切ったと仮定します。
電源を再投入すると初期励磁相であるA相が励磁されます。このとき、A相の極と先程0.72°移動した小歯が引き合おうとするため、ローターが0.72°戻されます。【図2 → 図1】

このように、5相ステッピングモーターの場合、電源投入した際にA相の極とA相に最も近いローターの小歯とが引き合おうとするため、小歯のピッチ7.2°の半分、つまり最大で±3.6°動く可能性があります。

【図2】B相励磁の場合
【図2】B相励磁の場合
  • ※ステッピングモーターの構造と動作原理について技術資料にて詳しくご紹介しています。

製品カテゴリ: ステッピングモーター
機種・シリーズ: 全般
内容: 機能・特性・仕様・外形図 、技術知識・資料・用語
FAQ No.: 229

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