Q.ハーモニックギヤードタイプの停止精度の考え方を教えてください。
ハーモニックギヤードタイプの停止精度は、「モーターの負荷条件」と「一方向運転か、回転方向が変わるか」によって考え方が異なります。
技術資料では、無負荷時の停止精度を測定した値を掲載しています。
モーターの運転条件により、参考にする値がそれぞれ異なります。
- 一方向の位置決め運転
- 角度伝達精度
- 双方向の位置決め運転
- 角度伝達精度+ヒステリシスロス
上記の通り、無負荷時の停止精度は、基本的に角度伝達精度によって表現されます。
(角度伝達精度の測定値には、静止角度誤差も考慮されています)
通常、ギヤードモーターで双方向に駆動する場合は、バックラッシを考慮する必要があります。
しかし、ハーモニックギヤードタイプは、ギヤの構造上、バックラッシが発生しません。(ノンバックラッシ)
その代わりに、ハーモニックギヤードタイプではヒステリシスロスが生じます。
弊社では、角度伝達精度とヒステリシスロスの値を、ハーモニックギヤードタイプの停止精度として掲載しています。
(ヒステリシスロスの測定値には、ロストモーションも考慮されています)
しかし実際の用途においては、装置上でモーターに摩擦負荷が発生し、その影響で物理的なねじれ(ギヤ内部部品のたわみなど)が発生します。
このねじれ角は、負荷条件や、ギヤードモーター品名に応じて、個別に求める必要があります。
技術資料のトルク―ねじれ特性から、負荷に応じたねじれ角の値を算出してください。
(計算に用いる数値も技術資料に掲載されています)
ここで求めたねじれ角の値には、ヒステリシスロスが考慮されています。
そのため、ハーモニックギヤードタイプの最終的な停止精度は、角度伝達精度と負荷によるねじれ角によって表されます。
製品カテゴリ: αSTEP、 ステッピングモーター
機種・シリーズ: 全般
内容: 使用方法・設定方法 、 技術知識・資料・用語
FAQ No.: 355
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