ラック・ピニオンシステムの選定 Lシリーズ αSTEP AZシリーズ搭載の選定
下図のように搬送物をAからBへ搬送する場合のラック・ピニオンシステムを選定していく上で、以下のようなパラメータが必要となります。

必要なパラメータは以下の通りです。
- 搬送物の質量(mで表します)もしくは推力(Fで表します)
- 位置決め距離(Lで表します)
- 位置決め時間(Tで表します)
- 繰り返し位置決め精度
- 最大ストローク
上記のパラメータの中で、推力および位置決め時間は以下の計算式で算出することができます。
推力計算式
①ラックに取り付けた搬送物を加速運転する場合の必要推力の計算
②押し引き可能な推力の計算
搬送物にかかる外力がFより小さければ押し引き可能です。
- Fmax
- ラック・ピニオンシステムの最大推力[N]
- Fa
- 加減速運転の必要運転推力[N]
- F
- 外力を押し引き可能な推力[N]
- m
- ラックに取り付けた搬送物質量[kg]+ラック質量[kg]
- a
- 加速度[m/s²]
- g
- 重力加速度 9.807[m/s²]
- μ
- 搬送物を支えるガイドの摩擦係数 0.01
- θ
- 移動方向と水平面の角度[°]

位置決め時間計算式
ラック・ピニオンシステムが時間的に問題なく位置決めできるかを確認します。確認方法としては、グラフを見ておおよその位置決め時間を求める方法と、計算によってある程度正確な位置決め時間を求める方法があります。それぞれの確認手順を下記に示します。
なお、実際の動作時間とは若干の誤差が生じますので目安としてください。
例)LM2の場合

計算で求める場合
①運転条件の確認
以下の条件を確認してください。
取付方向、搬送質量、位置決め距離、起動速度、加速度、運転速度
②上記の運転条件から、駆動パターンが三角駆動となるか台形駆動となるか確認
位置決め距離、起動速度、加速度、運転速度から、三角駆動した場合の最大速度を算出します。算出された最大速度が運転速度以下の場合三角駆動になり、運転速度を超える場合は台形駆動となります。
③位置決め時間の計算
<台形駆動の場合>
<三角駆動の場合>

- VRmax
- 三角駆動とした場合の算出された最大速度[mm/s]
- VR
- 運転速度[mm/s]
- Vs
- 起動速度[mm/s]
- L
- 位置決め距離[mm]
- a1
- 加速度[m/s²]
- a2
- 減速度[m/s²]
- T
- 位置決め時間[s]
- T1
- 加速時間[s]
- T2
- 減速時間[s]
- T3
- 定速時間[s]
その他の換算式を以下に示します。
パルス速度と運転速度は次の式で換算できます。運転速度は仕様の最大速度以下でご使用ください。
動作パルス数と移動量は次の式で換算できます。
加減速レートと加速度は次の式で換算できます。
上位制御機器により速度、移動量、加速度の入力方法が異なりますのでご使用に合わせて計算してください。
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