熱通過率、熱伝達率、熱伝導率について
熱通過率
壁の両側に温度の異なる流体が存在する場合、障壁を貫通して、高温側流体から低温側流体へ熱が伝わります。
この現象を熱通過と呼び、熱の伝わりやすさを、熱通過率といいます。

熱通過率(K)の値は、筺体面積からの放熱量(QW)を求めるときに使用します。
なお、必要風量の簡易計算式では、熱通過率を5 [W/㎡・K]として計算します。
熱伝達率
対流による熱の伝わりやすさを、熱伝達率といいます。
(筺体の)内側の熱伝達率/外側の熱伝達率
流体と接触している物体表面に温度差がある場合、対流が発生し、物体表面が冷却されます。
このときの熱伝達率は、対流の物性により、ある範囲内で変化します。

物性 | 熱伝達率 [W/m2・K] |
---|---|
静止した空気 | 1 ~ 25 |
流れている空気 | 10 ~ 250 |
自然対流における一般的な数値は4.65 [W/m2・K]、強制冷却における一般的な数値は23.3 [W/m2・K]とされています。
内側の熱伝達率(α1)と外側の熱伝達率(α2)は、筺体面積からの放熱量(QW)を求めるときに使用します。
熱伝導率
熱伝導による熱の伝わりやすさを、熱伝導率といいます。
障壁の熱伝導率
1つの物体の内部に温度差があるとき、その物体内部の高温側から低温側へ熱が伝わります。
障壁の熱伝導率は物質固有の常数です。

材料 | 熱伝導率 [W/m・K] |
---|---|
アルミニウム | 197 |
鉄 | 58.1 |
ステンレス銅 | 16.3 |
アクリル | 0.2 |
障壁の熱伝導率(λ)は、筺体面積からの放熱量(QW)を求めるときに使用します。
なお、計算時には、筺体の板厚(ι)の値も必要です。