ファンの効果的な設置方法について教えてください。


-
うぅぅ 寒い。外は雪が降ってるわ~。私寒いの苦手なのよ・・・。
-
僕も寒いのは苦手・・・。でも、こんなに寒いのに、さっきお客様から「冷却用のファンがあるにもかかわらず、制御盤内部の温度が高くて困っている」というお問い合わせをいただいたんです。

-
制御盤内には数多くのドライバなどがあるでしょ。適切な熱対策がおこなわれていないと、冬でも制御盤内部の温度が高くなる可能性はあるわね。 それでどんな提案をしたの?
-
はい。制御盤内の発熱量に対してファンの風量が足りない可能性が考えられたので、使用条件を再確認いただき、現在のファンが妥当かどうか確認させていただくことを提案しました。
-
さすがね。でも、いくらMRSシリーズのような風量が大きなファンを使用しても、正しい方法で設置しないと特性を生かせない場合があるの。
例えば、今回の制御盤のように内部の温まった空気を外へ排気する冷却方法を「換気冷却」っていうんだけど、この場合どんな点に注意が必要かわかるかしら? -
・・・・・・わかりません。
-
モーターだけじゃなく、ファンについてもちゃんと勉強してね。学くん。
まず、「換気」っていうくらいだから、制御盤には空気の入口と出口が必要なの。吸気口と排気口ね。これは部屋の空気を入れ替える時の換気と同じよ。ここでポイントになるのは、吸気/排気口の大きさ。これはできるだけ大きくしたほうがより多くの空気が移動できて換気としては効果的ね。圧力損失が影響するからなのよ。 -
圧力損失?
-
圧力損失とは、一言でいうと空気の「流れにくさ」を表すもの。空気の通り道(「流路」)が狭いと大きくなる性質があるの。
-
なるほど。だから、吸気口と排気口を大きくするんですね!
-
その通り!わかってきたわね。
でも、せっかく吸気口と排気口を大きくしても、制御盤の設置方法によっては期待した効果が得られない場合があるの。例えば、壁面と制御盤の距離も関係があるのよ。わかるかな? -
あっ!壁が邪魔をして、風量を低下させてしてしまうんだ!壁が損失となって風量が低下してしまうということですよね。では、どれ位の距離をとったらいいんですか?
-
100mm以上が理想的ね。無理な場合は、最低でもファンの厚みと同程度の距離をとっていただくようおすすめしたほうがいいわね。このデータを参考にしてみて。
-
本当だ。データからもわかりますね。
-
学くん、より有効な設置をご提案するには、まだあるのよ!
-
吸気口、排気口の広さの確保、壁と制御盤の設置距離・・・、あとは・・・・・・照代さん、わかりません・・・。
-
空気は温まると上に移動するでしょ!だから、制御盤側面の下部と上部に通気口を設け、ぞれぞれ下部を吸気口に、上部を排気口にすると・・・
-
あっ!冷たい空気を下から吸い込んで、温まった空気を上から吐き出すんだ!う~ん。熱対策も奥が深いですね。
照代さん、今教えていただいたことを参考にお客様に提案してみます。 -
そうね。あと、ファンの技術セミナーと選定サービスもご紹介してみてね。
今、学くんに説明した内容はごく一部だし、電話やメールでファンの使い方を理解していただくのは、実際には難しいと思うの。技術セミナーでは次のような内容を盛り込んでいるし、基礎から応用まで幅広く理解していただけると思うわ。- ファンの種類と特徴
- 基礎用語
- 効果的な使い方
- 制御盤の熱対策と環境対策
- 選定手順
- 高密度実装装置の効果的な空冷方法 など
-
選定サービスは電話やFAXだけでなく当社WEBサイトからもご依頼いただけるんですよね?
-
そうね。あわせてご紹介してね。
-
は~い。