ブラシレスモーターって何?モーターの仕組みや構造はどんなものですか?
このコラムでは、ブラシ付のDCモーターとブラシレスモーターの違いについて、それぞれの構造と仕組みの観点からご紹介します。
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照代さーん。教えてくださーい。
お客様からDCモーターのお問い合せがあったんですが、ドライバ回路を使用せずに直接DC24Vを入力してるようなんです。
そんなモーター、あるんですか?
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もしかしたら、ブラシ付のDCモーターかもしれないわね。
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あら、学くんも小学校のころに、乾電池をつなぐと回る小さなモーターを見たことあるでしょ?
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そういえば、電池をつないでモーターを回したことがあります。
ブラシ付DCモーターとは
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お客様からお問い合せいただいたモーターは、乾電池をつないで回すモーターと同じ構造になっているのよ。モーター内部に「ブラシ」と呼ばれる電極と、「コミュテータ」と呼ばれる整流子を設け、その二つを接触させ機械的に電流の切り替えをおこなってモーターを回転させているの。
こういう構造のモーターをブラシ付のDCモーターといってるのよ。【図1】
【図1】ブラシ付のDCモーターの構造
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ブラシとコミュテータですか。ふーん。オリエンタルモーターにも「ブラシ」という言葉の付くモーターで、ブラシレスモーターがありますが、関連はあるんですか?
ブラシレスモーターとは
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ブラシレスモーターは、ちょっと構造が違うの。
「ブラシ」「コミュテータ」のような機械的な接点ではなく、トランジスタなどのパワー素子で構成された駆動回路の電子回路(ドライバ回路)を使い、電気的に電流の切り替えをおこなってモーターを回転させているの。
【図2】ブラシレスモーターの構造
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なるほど!ブラシレスとは、その名の通りブラシが無いということなんですね。
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照代さんの説明でブラシの有る、無しの違いはわかったんですが、お客様が使う上での違いはありますか?
ブラシ付DCモーターとブラシレスモーターの違いとは
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そうね、一番違うところは、メンテナンス性かな。
ブラシ付のDCモーターは、ブラシとコミュテータという電極が接触しながら回っているから磨耗してしまうの。だから、必ず交換メンテナンスが必要になるのよ。
でも、ブラシレスモーターなら電子回路(ドライバ)を使っているから、メンテナンスは不要なのよ。
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そうだったんだ。ブラシレスモーターならお客様にはメンテナンスの手間がかからないんですね。メンテナンス性については、お客様にとっても重要ですからね。
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それとモーターの回転速度の安定性かな。
ブラシ付のDCモーターは、負荷が変化すると回転速度も変化してしまうけど、ブラシレスモーターは、負荷が変化しても安定した速度制御が行えるの。ホールICと呼ばれる磁気センサを搭載し、フィードバック制御を行ってモーターの状態を確認しているからなのよ。また、過負荷になった場合やケーブルの接続不良、断線などの異常が発生した場合、モーターを停止させると同時にアラーム信号を出力してくれるの。【図2】
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ブラシレスモーターの仕組みや構造・動作原理、メリットと体系立てて学べるからおすすめよ。
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はい、わかりました!eラーニングも使って勉強します!さっきのお客様からのお問い合わせは、ブラシ付のDCモーターからの置き換えのご相談だったので、ブラシレスモーターのたくさんのメリットと、今教わったメンテナンスフリーのことなどをご説明して、置き換えていただけるようにがんばります。
今回のポイント
ブラシ付きのDCモーター
ブラシとコミュテータを接触させ、機械的に電流の切り替えを行ってモーターを回転させている。
ブラシレスモーター
ブラシ、コミュテータなどの機械的接点が無いモーター。
ホールIC(磁気センサ)を搭載したモーターを、ドライバ回路によって制御することで回転させている。
ブラシレスモーターのメリット(一部)
- 機械的接点がないため、メンテナンスは不要
- 負荷が変化しても安定した速度制御ができる