配電盤内の効率的な熱対策ってどうすればいいの?


~オリエンタルモーターフェアにて~
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いよいよ、オリエンタルモーターフェアが始まりましたね。
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学くんはファンのコーナー担当だからしっかり説明してね。
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いらっしゃいませ。
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お客様 あの~、ファンの使い方で聞きたいことがあるんだけれど。いま、配電盤の設計をしていて、効率よく配電盤内の熱対策をするにはファンをどうつければいいのかな?
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そうですね。一般的に、熱い空気は上方に、冷たい空気は下方に向かって流れるので、上方から空気が排気できるようにファンを設置すると、効率よく温度を下げることができます。たとえば、配電盤の上側に排気用のファンをつけて、下側には吸気口、もしくは吸気用のファンをつけるというのがよろしいかと思います。【図1】
【図1】ファンの設置例 -
お客様 なるほど。
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あと、こちらの温度スイッチAM2-XA1という製品はご存知ですか?
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お客様 いや、温度スイッチというのは、初めて聞いたな。これはどういう製品?
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このスイッチを使用すると、配電盤内の温度変化に応じてファンの運転・停止を自動制御することができるんです。
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お客様 ほお、どうやって使うの?
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配電盤の中に設置します。DINレール取付タイプになっているのでDINレールに簡単に装着できます。そして、ファンと電源の間に温度スイッチを接続します。【図2】
あとは正面のダイヤルで設定するだけです。【図2】 温度スイッチの設置例 -
お客様 この青いダイヤルだね。0℃から60℃と書いてあるね。
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このダイヤルを、たとえば40℃のところにセットすると、配電盤内の温度が40℃(±5℃)以上になったときに温度スイッチがONとなりファンが回ります。ファンにより配電盤内の温度が下がり、 「動作温度-4℃」(±3℃)以下になると温度スイッチがOFFとなり、ファンが止まります。必要なときだけファンが回転するので、省エネや低騒音の効果があるんですよ。
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お客様 複雑な制御をしなくても、温度管理できるなんて便利だね。
ちなみに、温度スイッチはファン1台に1台ずつ必要? -
ファンのシリーズや大きさによって接続できる台数が変わります。たとえば、大型で大風量のMRSシリーズですと、大きさにもよりますが1~5台、小型で薄型のMUシリーズですと9台まで接続可能です。総合カタログで接続台数が確認できます。また先ほどお話ししたように、配電盤の中の温度は、上側が高く、下側が低くなりやすいので、温度スイッチは配電盤の上のほうに設置するのがおすすめです。
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お客様 なるほど、設置する場所も重要なんだね。早速検討してみるよ。
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ありがとうございます。よろしくお願いします。
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どう?うまく説明できた?
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配電盤内の効率的な熱対策についての質問を受けて、ファンの取付位置や温度スイッチの説明をしたところ興味を持っていただけました。
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配電盤の中の実装状態によって適切なファンが変わるんだけどそれは説明した?
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えーっと・・・・?
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たとえば、制御機器をたくさん設置して、実装密度が高い場合は、空気の流れが滞りやすいから、大型で高静圧のファンが適しているのよ。プロペラファンならMRSシリーズやMREシリーズ、ブロワならMBSシリーズなどを使うといいわね。【図3】
【図3】 実装密度が高い場合 逆に制御機器が少なく、実装密度が低い場合は、空気がスムーズに流れやすいので、小型のファンでも十分冷却できるわ。プロペラファンのMUシリーズなら風量も大きいから最適ね。【図4】
【図4】 実装密度が低い場合 -
なるほど、そういう使い分けもあるんですね。早速お客様にご提案してみます。