停止精度が良いモーターって何ですか?

おしえて!照代さん
おしえて!照代さん
  • 照代さん

    どうしたの学くん、困惑した顔をして。

  • 学くん

    お客様から、「停止精度が良いモーターを探しているけど、ステッピングモーターとサーボモーターでどのくらい違いがあるのか教えて欲しい」と言われたのですが・・・(汗)

  • 照代さん

    学くんはどう思っているの?

  • 学くん

    サーボモーターNXシリーズは20ビットエンコーダを搭載しているから、分解能が細かくて停止精度も良いと思っています。

  • 照代さん

    どうも分解能と停止精度の違いについて復習する必要があるようね!分解能とは「1回転あたりの分割数」のことで、ステッピングモーターではステップ角度とも言ったりするわね。停止精度は「理論上の停止位置に対する実際の停止位置との差」のことで全然違うものよ。

    ◆分解能
    ステッピングモーター:最大125,000分割
    (当社ステッピングモーターの最小ステップ角度は0.00288°)
    サーボモーター  :最大100,000分割
    (当社サーボモーターの最小分解能は0.0036°)
    ◆停止精度
    ステッピングモーター:±0.05°(静止角度誤差)
    サーボモーター  :±1パルス以内(エンコーダ分解能)

  • 学くん

    なるほど!分解能は「どこまで細かな位置決めを要求するかを検討する」際に必要で、停止精度は「目標位置に対する停止位置の誤差」のことだったんですね。
    となると、やはり高精度なエンコーダを搭載しているサーボモーターの方が停止精度は良くなるということですね!!

  • 照代さん

    そこが少し違うのよ。以前は、「サーボモーターの停止精度 = エンコーダ分解能±1パルス以内」で問題なかったけど、最近のサーボモーターに搭載されているエンコーダは20ビット(1,048,576分割)と非常に分解能が細かくなったから、エンコーダの組み付け精度による誤差が大きく影響するようになってしまったの。だから、停止精度の考え方が少し変わってきているのよ。
    実際に、ステッピングモーターとサーボモーターを1回転させた時の停止精度を実測したデータがあるから見てみて。

    ●ステッピングモーターの停止精度(実測値)
    ステッピングモーターの停止精度(実測値)
    ●サーボモーターの停止精度(実測値)
    サーボモーターの停止精度(実測値)
  • 学くん

    あれ!?ステッピングモーターとサーボモーターの停止精度は±0.02°~0.03°程度とほぼ同じなんですね!!

  • 照代さん

    そう、停止精度の実力は同じなのよ。
    しかもステッピングモーターの場合、モーター部品の機械的精度によって精度が決まるから、もし停止位置を7.2°ごとにおこなうことができれば、モーターの構造上、常に同じローター小歯を使って位置決めができて、さらに停止精度の向上も可能になるわね。

    ●ステッピングモーター 7.2°毎位置決め時 停止精度(実測値)
    ステッピングモーター 7.2°毎位置決め時 停止精度(実測値)
  • 学くん

    僕は少し勘違いをしていたみたいです。ステッピングモーターでも十分に高精度な位置決めができるんですね。

  • 照代さん

    でも、ステッピングモーターの場合は負荷トルク値によって変位角度が発生したり、サーボモーターは機構条件によりゲイン調整の応答でハンチング幅が大きくなることもあるので注意が必要ね。

  • 学くん

    よく分かりました。
    早速、お客様へ説明に行ってきます!!

    サーボモーター NXシリーズの詳細はこちらをご覧ください。

  • 2018年11月27日 最新の情報に更新しました。

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