ACスピードコントロールモーターの回転速度-トルク特性ってどう見れば良いですか?
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はい。ACスピードコントロールモーターの選定依頼をいただいてトルク特性図を確認しているんですが、見方が分からなくて…。
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まだまだ勉強不足ね!では、一度ACスピードコントロールモーターの回転速度-トルク特性を確認してみましょうか。
図1. ACスピードコントロールモーターの回転速度-トルク特性
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正直、これだけ線が多いと何から確認すれば良いのかわからないです。
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しょうがないわね。じゃあ順番に説明するわね。
まず、図1からモーターが出せる本来のトルク特性だけを抜き出すと図2のようになるわ(電源周波数:60Hzの場合)。
図2. モーター本来のトルク特性
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この図2からすると、(A)の範囲であれば使って良いってことですよね!?
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甘いわね、学くん!
確かにモーターが出せるトルクは(A)の範囲だけど、図3のように『使用限界線』というものがあるのよ。
トルクについては、この使用限界線以下の(B)の範囲で使用しなければいけないのよ。
図3. 使用限界線を反映したトルク特性
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それは使用限界線以上のトルクで運転するとモーターの発熱が大きくなってしまうからよ。
この使用限界線は『モーターの許容温度を超えずに連続で運転できる限界』を表している線なの。この範囲内であれば連続(レバーシブルモーターの場合は30分)で使用しても、故障につながるような温度(モーターケース温度で90℃)にはならないことを示しているわ。
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なるほど。選定をおこなう際には『使用限界線以下のトルク値で選定する必要がある』ということですね。
早速選定してみます!
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ちょっと待って学くん!まだ『ギヤヘッド取付時許容トルク』の説明が終わっていないわ!
図4を見てみて。
図4. ギヤヘッド取付時許容トルクを反映したトルク特性
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ギヤヘッド取付時許容トルクとは、ギヤヘッドを組み合わせた場合のモーター出力軸の許容トルク値のことよ。この値を超えてしまうとギヤヘッドの寿命が短くなったり破損につながったりする可能性があるわ。
ということで、ACスピードコントロールモーターで使用できる範囲は(C)となるのよ。ギヤヘッド出力軸の許容トルクは減速比によっても変わるから、カタログやWEBサイトできちんと確認してね。
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はい!トルク特性の見方もわかったし、自信を持ってお客様に紹介してきます!