速度制御モーターのモーターとコントロールパック、何mまで離せますか?


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ショールームにある展示デモ機ですが、速度制御モーターが使用されている機構部分を変更しようと思うんです。トルクは今のモーターでOKなんですが、モーターとドライバの間を延長しないと届かないんですよね。何mまで延長できましたっけ??

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そうね。延長距離は製品によっても変わってくるから一概には言えないけど、その展示デモ機はBMUシリーズのコネクタタイプでしょ。10mが最大延長距離になるわね。
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延長したいのは1mなんで大丈夫ですね!でも、10m以上だとどうなるんですか?
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延長距離が長くなると、リード線の抵抗が大きくなって電圧降下の影響を受けるの。つまり、モーターに流れる電流が少なくなって出力トルクが下がることが考えられるわ。また、延長すればそれだけノイズの影響も受けやすくなるしね。使用環境が悪ければ誤動作することも考えられるわ。
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そうなんですか。あまり長くなりすぎるのもよくないということですね。
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そうね。あと延長する際は、モーターリード線のAWGにも注意が必要ね。
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AWG?? 何ですか。それ?
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AWGっていうのは、American Wiring Gageの頭文字をとったもの!リード線の芯線構成や導体断面積を定めたものよ。AWG No.で呼ばれ、数字が大きくなるほどリード線の断面積が小さくなり、線が細くなるの。
AWG No. リード線断面積(mm2) 26 0.128 24 0.205 22 0.325 20 0.519 -
へぇー。でもそれとリード線の延長とどういう関係があるんですか?
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リード線の断面積が小さいと抵抗が大きくなるから電流が流れにくくなって、結果的に出力トルクが下がることも考えられるわ。だから、延長する場合はモーターリード線に記載されているAWGと同じものか、それよりも太いものを使った方がいいわね。これはステッピングモーターなどの他のモーターでも言える重要なポイントよ。
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そんな注意点もあるんですね。そうなるとリード線を用意しないといけないですね。えーっと・・・
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速度制御モーターにはそれぞれの延長用ケーブルが用意されているわよ。このケーブルを使った場合、AWGも同じなので通常の環境下であればそれぞれの延長距離の範囲内で問題なく使えるし、BMUシリーズならモーターとドライバ間がコネクタでワンタッチで接続できるようになっているから簡単ね。
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あっ本当だ。BMUシリーズだと10mまで延長用ケーブルが用意されてますね!これだと長さも足りるし、配線も簡単だしよかった~。このケーブル以外のケーブルを使用して、延長することはできるんですか?
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BMUシリーズのようにケーブルの先にコネクタが付いている製品は、指定のケーブル以外のものを使用した延長はできないわ。でも必要に応じた長さに対応できるように数種類の長さをご用意しているの。ちなみにモーターからリード線が出ている製品は、他のケーブルでの延長もできるけど、さっき言った点の注意が必要ね。
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ノイズとAWGの点ですね!
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▲ツイストペア そうね。特にスピードコントロールモーターのレートジェネレータ線などの信号ラインは延長距離が長くなるほどノイズの影響を受けやすくなるの。できるだけ10m以内におさえることをお勧めするわ。
また、レートジェネレータ線に限らずどんなモーターでも、信号線は他の電源線やモーター動力線と離したり、ツイストペア(▲)にしたり、シールド線を使用するなどのノイズ対策もできればよりいいわね。複合ケーブルなら信号線はツイストペア線を使用しているし、シールド処理もされてるから便利よ。もちろんBMUシリーズの延長ケーブルもシールド処理されているわ! -
なるほど!よくわかりました。それじゃ、早速デモ機の変更にとりかかります!!
- ※ 延長ケーブル、最大延長距離はシリーズによって異なります。