モーターを選ぶ時、慣性モーメントはなぜ大切なの？

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  それにしてもこの自転車、車輪が大きい割にはペダルは軽く、速く走りますね！

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  競技用に車輪を細くして、慣性モーメントを小さくしているから、軽いのね。

  慣性負荷（負荷慣性モーメント）

  物体の現在の運転状態を持続させようとする力の大きさです。
  物体は必ず慣性負荷を持っています。慣性負荷が大きいと加減速時に大きなトルクが必要となります。このトルクの大きさは、慣性負荷の大きさと、運転速度と加速時間から求められる加速度の大きさに比例しています。

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  慣性モーメントって、質量に比例して大きくなるんですよね？

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  そうよ。でも、それだけじゃないわよね。

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  他に何があるんでしたっけ･･･？

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  半径の2乗に比例して大きくなるんでしょ！

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  そうか。だから、傘を開いて回転させようとすると、閉じたときよりも重く感じるんですね。

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  じゃあ、モーターを選ぶとき、慣性モーメントはどのように影響するかわかる？

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  え～っと、起動時や減速時に発生する加減速トルクに影響するんでしたっけ？

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  そうね。慣性モーメントが大きくなると、それに比例して加減速トルクも大きくなるわね。じゃ、他には？

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  ･･･。何でしたっけ？

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  もう、しっかり勉強してね、学くん！　許容慣性モーメントやイナーシャ比を考慮する必要があるのよ。

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  あ、そうか。ACモーターの場合、ギヤヘッドの許容慣性モーメントが装置の慣性モーメント（＝負荷慣性モーメント）を上回るように選ばないといけないんでしたね。負荷慣性モーメントのほうが大きいと、ギヤが耐えられずに壊れてしまうんですよね。

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  先週、学くんが傘を回していて、傘の支柱が慣性モーメントの加減速トルクに耐えきれず折れたようにね。じゃ、ステッピングモーターの場合は？

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  ステッピングモーターは、モーターのローター慣性モーメントに対する負荷慣性モーメントの比を、「イナーシャ比＝負荷慣性モーメント÷ローター慣性モーメント」で求め、イナーシャ比が30倍以下（αSTEPの場合も30倍以下）になるよう、モーターを選ぶんでしたね。でも、なぜイナーシャ比を考慮する必要があるんだろう？

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  加減速トルクに余裕があっても、イナーシャ比が大き過ぎると、加速指令についていけず脱調することがあるからよ。

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  サーボモーターやブラシレススピードコントロールモーターは、許容慣性モーメント（適用負荷慣性モーメント）が負荷慣性モーメントを上回るように選ぶんですよね。

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  そうね。許容慣性モーメント（適用負荷慣性モーメント）を越えていると、きちんと制御できず動作が不安定になったり、アラーム出力して止まってしまうのよ。

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  負荷慣性モーメントの大きいものでも、ギヤヘッドで減速すれば、小型のモーターでも駆動できるんでしたよね。

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  やっとエンジンかかって来たわね。「許容慣性モーメント（適用負荷慣性モーメント）×減速比2」で減速比の2乗だけ大きなものが駆動できるようになるのよ。学くんの自転車も、ギヤを1/2減速すれば、減速比2で4倍の荷物が積めるようになるわね。私の荷物も積んでもらおうかしら！

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  そしたら、スピードが1/2になるじゃないですか。そんなのいやですよぉ･･･。

• 2021年3月12日 最新の情報に更新しました。

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