ブラシレスモーター BLHシリーズ ドライバの性能向上
2020年5月25日時点の情報です。
BLHシリーズは装置内部への設置に適したDC電源入力タイプの小型ブラシレスモーターです。2006年の発売以降、装置の小型化を検討しているお客様を中心に幅広く採用されてきました。一方、アプリケーションの変化や多様化に伴ってモーターの使用方法やニーズは年々変化しています。これからもより多くのお客様に使用いただくため、ドライバの性能向上を行いました。特に「速度追従性の向上」と「低騒音化」に注力しており、モーター制御にベクトル制御の正弦波駆動方式を採用することにより、これらを実現しました。その他にもサポートソフトMEXE02に対応することにより、デジタル設定やトルク管理が可能となりました。
本稿では、BLHシリーズのドライバの性能向上に向けて採用した技術について説明します。
目次
- 1. はじめに
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2.モーター制御
- 2.1.ベクトル制御の採用
- 2.2.4象限運転の対応
- 2.3.トルク制限、負荷率表示
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3.制動運転時の回生電力への対応
- 3.1.回生電力による電圧上昇の抑制
- 3.2.減速停止動作
- 3.2.1.減速停止1(回生電力を消費しながら減速)
- 3.2.2.減速停止2(回生電力を発生させずに減速)
- 3.2.3.減速停止3(回生電力を消費せずに減速)
- 4.突入電流の対策
- 5.低騒音化
- 6.短時間運転領域の拡大
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7.シリーズラインアップ
- 7.1.アナログ設定タイプ
- 7.2.デジタル設定タイプ
- 7.3.RS-485通信タイプ
- 8.まとめ
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1. はじめに
アプリケーションの変化や多様化に伴い、ブラシレスモーターの使用方法やニーズは年々変化しています。特に、無人搬送車(AGV)をはじめとした速度追従性が求められる機器や、理化学機器などの静音性が求められる機器への採用が増えています。
変化した市場要望に応えるため、DC電源入力タイプの小型ブラシレスモーターBLHシリーズに新たなドライバを開発し、ラインアップに追加しました(以下、BLH2D)。BLH2Dは「速度追従性」と「低騒音化」を中心とした性能向上を図ったドライバです。(図1、図2参照)

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従来品(50W) -
BLH2D(デジタル設定タイプ)
図2 BLHドライバ外観比較
本稿では性能向上に向けて採用した技術を説明します。
BLH2Dは、「アナログ設定タイプ」と「デジタル設定タイプ」、「RS-485通信タイプ」の3タイプがありますが、ここでは「デジタル設定タイプ」について説明します。
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