テクニカルマニュアル ステッピングモーター編
2018年5月時点の情報です。
“モーター”は電気のエネルギーを動力に変える装置で、物を動かし、止める、という場面には必ずモーターがあります。ステッピングモーターもそのひとつで、“精密な回転量で止まる”性能に優れたモーターです。
このテクニカルマニュアルでは、ハイブリッド型を中心にステッピングモーターを理解していただき、その特性をより良く引き出していただけるよう、構造・回転原理・諸特性について解説します。
目次
まえがき ステッピングモーターの歴史
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1.ステッピングモーターの特徴
- 1.1.ステップ動作
- 1.2.高分解能で高精度な位置決め
- 1.3.回転量とパルス数は比例
- 1.4.回転速度とパルス速度は比例
- 1.5.停止状態での位置保持
- 1.6.高い同期性
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2.ステッピングモーターの種類
- 2.1.PM型ステッピングモーター
- 2.2.VR型ステッピングモーター
- 2.3.ハイブリッド型ステッピングモーター
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3.ハイブリッド型ステッピングモーターの構造と動作原理
- 3.1.ハイブリッド型ステッピングモーターの構造
- 3.2.保持力の発生
- 3.3.配設ピッチとステップ動作
- 3.4.ステップ角度
- 3.5.5相ステッピングモーター
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4.ステッピングモーターの特性
- 4.1.静特性
- 4.2.過渡特性
- 4.3.動特性
- 4.4.温度特性
- 4.5.騒音特性
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5.駆動回路
- 5.1.結線方式
- 5.2.励磁方式と励磁シーケンス
- 5.3.駆動方式
- 5.4.マイクロステップ駆動
- 5.5.新しい駆動方法
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6.コントローラの種類と特徴
- 6.1.ステッピングモーターの動き
- 6.2.コントローラの種類
- 6.3.ステッピングモーターのネットワーク制御
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7.ステッピングモーターの理論
- 7.1.回転体の力学
- 7.2.誘起電圧とトルク
- 7.3.ステッピングモーターのd-q座標系表現
- あとがき
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1 ステッピングモーターの特徴
センサーやブレーキなどを使わなくても正確な速度で回転し、正確な位置に停止できる点が、ステッピングモーターの特徴です。これにより、位置決めシステムを容易に構成することができます。
1.1 ステップ動作
一般にモーターというと連続的な回転がイメージされますが、ステッピングモーターはパルス信号が駆動回路(ドライバ)に入力されるたびに一定角度で回転するので、回転量の検出器を用いなくても正確な運転が可能です。
ステッピングモーターの動きは、パルス信号が速いときには連続回転しているように見えますが、パルス信号が遅いときには時計の針のような間欠的な回転になります。たとえば2 相ステッピングモーターの場合は、図1.1 に示すように1.8°ずつの動きが基本となります。

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