Q.ARシリーズの停止中に、手動でワークを調整したいと思います。C-ON入力をOFFにすれば、モーターシャフトはフリーになりますか?
C-ON入力をOFFにしてもシャフトは完全にフリーになりません。
シャフトをフリーにするときは、FREE入力をONしてください。
C-ON入力をOFFにすることでモーターへの励磁はカットされますが、 モーター励磁とは別のブレーキのはたらきにより、モーターのシャフトに保持力がはたらく仕組みになっています。 以下の表を参照してください。
電磁ブレーキ | 入力信号の状態 | |
---|---|---|
C-ONをOFF | FREEをON | |
有 | ロック (電磁ブレーキによる保持) |
フリー |
無 | 動きが重くなる (ダイナミックブレーキによる保持) |
フリー |
FREE入力をONすると、モーター励磁のカットと同時に、電磁ブレーキおよびダイナミックブレーキを解除することができます。 結果、モーターシャフトがフリーになります。
ダイナミックブレーキとは
停止時にモーターが外力により回されると、モーター内部の巻線に逆起電圧が発生します。 この電圧をモーターに戻すことで得られる保持力を、ダイナミックブレーキといいます。 逆起電圧から回路を保護する役割を担っています。
ダイナミックブレーキは、回転速度に応じてはたらきます。 そのため、C-ONがOFF(モーターが無励磁)の場合も、モーターシャフトが完全にフリーになることはありません。
FREE入力でダイナミックブレーキを解除する際は、ワーク落下など事故にご注意ください。
落下などが原因で、ドライバやお客様の装置が破損する恐れがあります。
2013年の設計変更前の製品について
ARシリーズは、2013年8月に設計変更をおこなっています。 設計変更前の製品は、FREE入力をONしてもダイナミックブレーキを解除することができません。 シャフトをフリーにする際は電源を落としてください。 (電磁ブレーキ付タイプは、電源OFF時に外部から電磁ブレーキを開放する必要があります)
設計変更前・後の違いは、ULマーキングの有無で見分けることができます。
ARシリーズのドライバに貼付されているラベルに、下記のマーキングがあるかご確認ください。
-
- ULマーキング有
- ⇒設計変更後
- ULマーキング無
- ⇒設計変更前
-
製品カテゴリ: αSTEP 、 電動アクチュエータ
機種・シリーズ: ARシリーズ 、 電動アクチュエータ ARシリーズ搭載
内容: 使用方法・設定方法 、 異常・トラブル 、 技術知識・資料・用語
FAQ No.: 341
関連するFAQ
メールする
メール開封後、内容を確認し、当社よりご連絡いたします。なお、お問い合わせの内容によっては、お電話をさしあげる場合がありますのでご了承ください。