シンク、ソースって何?出力の違いはどんなものですか?
このコラムでは、シンクロジックの出力とソースロジックの出力との違いについて、それぞれの接続例を用いてわかりやすくご紹介します。
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お客様から「海外へ輸出する装置にブラシレスモーターを使いたいんだけれど、ソースロジックのものはありますか」という相談があったんです。お客様と話をしていたら、シンクとか、ソースとか、おっしゃっていて話がよくわからなかったんです。
僕はとんかつソースが好きなんですが・・・
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こら!(笑)学くん、そんな冗談が言えるようになるぐらい成長したのね。
ところでそれって、入出力回路のことかしら?
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上位のPLC(プログラマブルコントローラー)についてお話していたので、入出力回路のことだと思うんですが・・・?
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そうね。入出力仕様の違いによってシンクロジックとソースロジックの2種類があるわ。
制御出力機器から見た場合、
シンクロジックはONしたときに電流を引き込む状態
ソースロジックはONしたときに電流を流す状態
のことよ。
入力側と出力側の相性を合わせないといけないから、お客様も気になって相談してくださったのね。
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へ~、場合によって入出力仕様が違うんですね。でもシンクロジックとソースロジックって、具体的にはどんな違いがあるんでしょうか?
シンクロジックとソースロジックの違い① 結線方法
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実際には、シンクロジックとソースロジックでは、それぞれ使用される制御出力機器が違っていて、大きく分けて以下の2種類があり、それぞれ結線が異なるのよ。
【図1】 シンクロジック…NPNトランジスタ
【図2】 ソースロジック…PNPトランジスタ
【図1】 シンクロジック接続例
入力回路が、電源+側(Vcc)とNPNトランジスタ間に接続される。
制御出力機器に、電流が流れ込むことにより信号がONされる。
【図2】 ソースロジック接続例
入力回路が、PNPトランジスタと電源GND(0V)間に接続される。
制御出力機器から、電流が流れ出ることで信号がONされる。
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なるほど!それぞれのトランジスタに合わせて結線方法を変えないといけないんですね。
シンクロジックとソースロジックの違い② 安全性
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他にも、結線方法が違うだけでなく、実は安全性にも違いがあるのよ。
万が一、お客様の装置に何らかの異常が発生して、入出力の信号線が地絡、または0Vラインとショートしてしまったら危険よね。【図3】
その点、ソースロジックの場合、入力回路が直接電源の+側(Vcc)と接続されていないから、信号線が地絡やショートしても、入力回路はONになることがないため、より安全な接続方法の1つとして考えられているのよ。【図4】
【図3】 シンクロジックでショートが発生した場合
【図4】 ソースロジックでショートが発生した場合
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学くんは知らなかったと思うけれど、昔は国内向けがメインだったから、シンクロジックに対応した製品でよかったの。でも、今はお客様が装置を輸出されるケースも増えていて、どちらにでも対応できるようになっているのよ。
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すごいですね~。製品もグローバルになっているんですね!
ということは、ソースロジックを使うお客様には、ソースロジックに対応できる製品をご紹介すればいいんですね。
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その通り!では学くん、今回のお問い合わせに対応できるブラシレスモーターはどれになるのかしら?
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え~と・・・・BLE2、BMUシリーズなどですね!
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よくできました!これらの製品はシンクロジック、ソースロジックのどちらにも対応できるようになっているわね! ところで、今回はどんな駆動条件なのかは聞いてるのかしら?
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出力が400Wくらいで4000rpmまで使うとおっしゃっていました。 また、操作や接続が簡単なものをお求めだったので、今回はBMUシリーズをご紹介しようと思います。
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はい!ありがとうございます!今回勉強したことも踏まえ、さらに自信がもてました! 早速、お客様にご紹介してきます!
今回のポイント
シンクロジック、ソースロジックとは
- シンクロジック:ONしたときに電流を引き込む状態
- ソースロジック:ONしたときに電流を流す状態
(制御出力機器から見た場合)
ソースロジックのメリット
入力回路が直接電源の+側(Vcc)と接続されていないことから、信号線が地絡やショートしても、入力回路はONになることがない。そのため安全な接続方法の1つと考えられている。
モーター選定にあたってのポイント
どちらでも使う可能性がある場合、シンクロジック・ソースロジックの両方に対応している製品がおすすめ。