ステッピングモーターとサーボモーターの使い分けって?許容慣性モーメントが大きいのはどっち?
このコラムでは、ステッピングモーターとサーボモーターの使い分けについて、負荷変動がある機構や負荷慣性モーメントが大きいワークを扱うケースを例にご紹介します。
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照代さん、前回の続きについて教えてもらっていいですか?
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ゲイン調整とは
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もちろんです!ゲイン調整とは、負荷に応じて最適な制御を行うための調整です。
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そうね。サーボモーターの応答性や安定性は、負荷慣性モーメントの大きさやその変化、装置自身の機械剛性の影響を強く受けるの。ベルト・プーリ機構のような機械剛性の低い装置や大慣性負荷を有する装置でサーボモーターを使用すると発振して動作できないことがあるから、ゲイン調整が必要なのよ。
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機構に合わせて調整しなくてはいけないと考えると難しく感じるかもしれないわね。ただ、最近のサーボモーターにはオートチューニングという機能が備わっているから、比較的短時間で調整できるケースもあるのよ。
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機構による使い分け
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ワーク質量が変動するリフターとか、クランク機構やカム機構みたいに負荷変動がある機構は、ゲイン調整しにくいと思うけどね。機構に関係なくゲイン調整不要で高い応答性を実現できるのがステッピングモーターのメリットだから、お客様の機構に合わせて提案するのがいいと思うわ。
クランク機構
カム機構
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そういうことですね!逆に、負荷変動がない場合には、サーボモーターを選んでおけばいいということでしょうか。
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そうでもないのよ。学くんは、負荷慣性モーメントが大きいワークの場合には、ステッピングモーターとサーボモーターどちらが有利か分かるかしら?
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ワークによる使い分け
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実はステッピングモーターの方が有利なのよ。サーボモーターは、推奨負荷慣性(許容慣性)モーメントを超えるとオートチューニングでの調整範囲を超えるから、不安定な動作になってしまうの。結果として「指令に追従した俊敏な動作ができない」「停止時ハンチング」などの現象が起こるのよ。
それに対して、αSTEPの場合は、同サイズのサーボモーターと比較するとローター慣性モーメントも許容慣性モーメントも大きくなるから、負荷慣性モーメントが大きい条件でも安定して動作できるの。
許容慣性モーメント値比較
| 取付角寸法 |
サーボモーター※ |
αSTEP |
ラインアップ [出力] |
ローター慣性 モーメント [×10-4kg・m2] |
許容慣性 モーメント [×10-4kg・m2] |
ラインアップ [サーボ同等型式] |
ローター慣性 モーメント [×10-4kg・m2] |
許容慣性 モーメント [×10-4kg・m2] |
| □42mm |
50W |
0.0174 |
0.87 |
AZM46 |
0.055 |
1.65 |
| 100W |
0.029 |
1.45 |
AZM48 |
0.115 |
3.45 |
| □60mm |
200W |
0.162 |
8.1 |
AZM66 |
0.37 |
11.1 |
| 400W |
0.291 |
14.55 |
AZM69 |
0.74 |
22.2 |
| □85mm |
750W |
0.948 |
47.4 |
AZM911 |
2.2 |
66 |
※サーボモーターの数値は弊社製品をオートチューニングした場合の参考値です
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ステッピングモーターは許容慣性モーメントが大きいんですね!
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そうなの。過去に実際あった事例なんだけど、750Wのサーボモーターを使っていたお客様からの置換相談で運転パターンや用途を確認したところ、400WクラスのAZM69で駆動可能ということが分かった事例もあるわ。その時は速度を求めないインデックステーブルだったんだけど、お客様としっかり会話をすれば、よりメリットのある提案ができると思うわよ。
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ステッピングモーターとサーボモーターの違いがよく分からないし、とりあえずサーボモーターを選定するというお客様もいるのですが、お客様の機構や使い方をしっかり把握すれば、より適した製品を提案できるということが分かりました。お客様にとってのベストを考えながら、今後も使いやすい製品を紹介していきたいと思います!
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モーター選定ツールなんかも駆使しながら、最適な提案ができるようになるといいわね。応援してるわよ!
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今回のポイント
ゲイン調整とは
負荷に応じて最適な制御を行うための調整。サーボモーターの応答性や安定性は、負荷慣性モーメントの大きさやその変化、装置自身の機械剛性の影響を強く受けるため、機械剛性の低い装置や大慣性負荷を有する装置についてはゲイン調整が必要。
ステッピングモーターとサーボモーターの使い分け
ワーク質量が変動するリフターやクランク機構、カム機構のように負荷変動があるケース、負荷慣性モーメントが大きい場合はステッピングモーターの方が適していることもある。