AGV・AMR(搬送ロボット)の選定に必要な条件って?
このコラムでは、AGVやAMRの選定に必要な条件について、それぞれが選定計算にどのように関わるかを紹介します。
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商談中に、どのくらいのワークを搬送できるか教えて欲しいと言われることもあるものね。今日は搬送ロボットの選定に必要な条件を整理してみましょう。
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搬送ロボット用モーターの選定に必要な条件
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搬送ロボット用モーターの選定に必要な条件は以下よ。
①装置の条件(重量、走行環境、搬送軸数と車輪径、電源電圧)
②運転条件(走行スピード)
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結構たくさんありますね…。それぞれの項目について、選定計算のどの要素に関わってくるのか知りたいです。
重量が関わる要素
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①装置の条件にあたる重量は、モーターの必要トルクや許容慣性モーメントを決めるために必要な要素よ。あと、停止時の耐荷重性能は許容ラジアル荷重で決まるわね。平行軸ギヤヘッドで許容ラジアル荷重をアップさせることは限度があるから、耐荷重性能を上げたいお客様には中空軸フラットギヤやフランジ出力ヘッドを紹介するのがいいと思うわ。フランジ出力ヘッド組付け時は1500N、中空軸フラットギヤは最大2040Nと高強度なのよ。
側面取付 中空軸フラットギヤヘッド
天面取付 フランジ出力ヘッド
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なるほど。ところで、走行環境とはどのような条件でしょうか。
走行環境について
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走行環境は、走行する場所や走行面の傾きのことよ。走行する場所によって摩擦係数は変わるけど、工場内の平坦な床では摩擦係数:0.1程度を参考にしてね。
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分かりました。搬送軸数は車輪の数で決まるのでしょうか。
搬送軸数について
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搬送軸数は駆動に必要なモーターの台数のことよ。使うモーターの台数によって必要トルクが変わるの。搬送ロボットの場合は2輪駆動が多いのよ。駆動は2輪のタイヤで行い、その周りに4輪のタイヤを配置して荷重を分散させる方法が一般的なの。駆動を2輪にすると、小回りがきくなど、搬送ロボットを走行させる場所に合わせて色々な設計方法を考えられるのよ。
2輪駆動イメージ
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車輪数と駆動軸数は同じだと思っていました!電源電圧は何種類もあるのでしょうか。
電源電圧について
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24Vか48Vが一般的ね。オリエンタルモーターでは、DC24Vで動かせる400Wタイプも発売しているのよ。DC12Vのバッテリを4個使ってDC48Vにするより、2個使いでDC24Vにした方が設置スペースが半減できるし、本体重量も軽くなるわよ。
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走行スピードが関わる要素
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次は②運転条件にあたる走行スピードね。走行スピードはモーターの速度を決めるために必要な要素よ。必要速度によってギヤ比も決まるわ。BLVシリーズRタイプであれば、1~4000r/minまで制御可能なの。起動時や停止時の速度を落としたいけど、運転時の最高速度は維持したいというニーズに応えることができるわ。
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便利ですね!選定計算に必要な数字を聞き取るだけでなく、こちらからもお客様の役に立つ情報を提供できるよう、今後も勉強を続けます!
今回のポイント
- 搬送ロボットを選定するには、装置の条件と運転条件が必要
- 装置の条件には、重量、走行環境、搬送軸数と車輪径、電源電圧が含まれ、選定計算する上で必要な要素となる