AZシリーズ モーターのケーブル1本化技術
2024年2月15日時点の情報です。
これまでAZシリーズのモーターは、モーターケーブル、エンコーダケーブル、電磁ブレーキケーブルがそれぞれに分かれており、かつケーブルを中継することが前提の構造でした。今回、ラインアップを追加したAZシリーズコネクタタイプは、これら3本のケーブルを1本化し、かつモーターに直接コネクタを搭載することで、配線の工数やスペースの削減に貢献しています。
ステッピングモーターはPWM制御で駆動するため、モーター線から放射ノイズが発生します。そのため、モーター線からセンサ線や電磁ブレーキ線にノイズが伝搬することが、ケーブルを1本化するにあたっての技術的課題でした。
本稿では、ケーブル1本でモーターとドライバの直結を可能にした技術について説明します。
1. はじめに
「AZシリーズ」は、αSTEPの「チューニングレス」「高効率」などの特長を継承しつつ、バッテリ不要で多回転アブソリュートシステムを実現できるABZOセンサを搭載したモーターとして、FAや半導体製造装置の業界を中心に多くの使用実績があります。
近年、世界的な労働力人口の減少や人件費高騰により、自動化が急激に進んでいます。それにともない、モーター軸数が増加し、配線の工数や、装置内の配線スペースの削減要望につながっています。
図1にAZモーターケーブルタイプ(従来品)の接続例を示します。モーターケーブル、エンコーダケーブル、電磁ブレーキケーブルが3本に分かれており、それぞれにモーターから引き出されたケーブルと中継コネクタを介し配線する構成のため、ケーブル引き回しや中継処理などの配線工数や、配線スペースの削減への対応が求められていました。図2のAZモーターコネクタタイプは、これらの要望に対応するため、配線のしやすさを考慮した、小径でしなやかなケーブル1本で、ドライバと直結可能なモーターをラインアップしました。


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