各国の法令・規格の概要

2024年4月1日現在の情報

1. 規格の体系

規格は世界各国共通の国際規格を頂点に、4つの階層に分類できます。地域規格、国家規格、団体規格は国際規格と協調することにより、内容の統一が図られています。

国際規格

世界の国々が共通して利用できる規格です。 標準化機関として、ISO、IEC、ITUなどがあります。

地域規格

特定の地域内で利用できる規格です。 EU加盟国が適用するEN規格は、地域規格に属します。 標準化機関として、CEN、CENELECなどがあります。

国家規格

1国内で使う規格です。 JIS規格はこれに属します。 標準化機関として、JISC、ANSI、BSIなどがあります。

団体規格

1国内のある団体で使う標準です。ここには、省庁、業界、会社、工場の水準で決められて使われる規格が含まれます。業界で使われる規格は「団体規格」と呼ばれ、会社内の規格は「社内規格」と一般に呼ばれます。

規格の体系

2. 国際規格

2-1.IEC規格について

IEC規格は、電気・電子技術および関連技術に関する国際規格です。 IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)は、1906年のロンドン会議で13カ国の代表により創設されました。IECの目的は、電気・電子技術および関連技術に関する標準化のすべての問題および規格適合性評価のような関連事項に関する国際協力を促進することにあります。

2-2.ISO規格について

ISO規格は、電気・電子技術および関連技術を除く、全産業分野(鉱工業、農業、医薬品等)に関する国際規格です。
ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)は、1947年に各国の団体により設立されました。ISOの目的は、物質およびサービスの国際交換を容易にし、知的、科学的、技術的および経済活動的分野における国際間の協力を助長するために、世界的な標準化およびその関連活動の発展開発を図ることにあります。

3. ヨーロッパ

EU

3-1.EU指令とCEマーキング

EU指令とは、すべてのEU加盟国が守らなければならない共通のルールです。特に、ニューアプローチ指令は、EU域内での技術的な貿易障壁の撤廃を目的とした共通の枠組みに沿って作られています。
ニューアプローチ指令は、指令ごとに定められた整合規格に適合することで指令の要求事項を満たしているとみなされます。対象となるニューアプローチ指令でCEマーキングを要求されている場合、EU域内で流通させるためにはCEマーキングの実施が必要です。

CEマーク
CEマーク

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当社製品が対象となる主なEU指令は次のとおりです。

  • 低電圧指令(2014/35/EU)
    交流50~1000 V、直流75~1500 Vで使用される機器に適用されます。
    当社製品はEU域内の公認検査機関によるEN規格に基づく第三者認証品の自己適合宣言または当社評価による自己適合宣言をしています。
  • EMC指令(2014/30/EU)
    電磁波妨害を与える可能性および、電磁波妨害の影響を受ける可能性のある機器に適用されます。
    EMC指令によるCEマーキングは、製品の取扱いに関する専門知識を持つ人によって装置に組み込まれる部品は必須ではありません。
    当社製品はこれに該当しますが、お客様の装置ができるだけ円滑にEMC指令に適合できるよう、多くの製品でEMC指令の自己適合宣言をしています。
    当社製品は、取扱説明書に記載している「EMC指令に対する設置・配線方法」の条件で自己適合宣言をしています。 装置としてのEMC試験の結果は、使用する部品の種類、配置、配線方法などにより変化します。 EMC指令への適合性は、当社製品を含めたすべての部品を装置に組み込んだ完成状態でご確認ください。
  • 機械指令(2006/42/EC)
    可動部があり人体に傷害を与える可能性のある機器や、安全部品(Safety Component)に適用されます。
    当社製品で機能安全に対応したドライバは、機械指令で定義される安全部品として、機械指令に基づく自己適合宣言をしています。 また、当社の電動スライダ、電動シリンダをはじめとする電動アクチュエータの一部は、産業機械に組み込む部分的に完成した機械 (Partly Completed Machinery)として機械指令に基づく組込宣言(Declaration of Incorporation of Partly Completed Machinery)をしています。 なお、部分的に完成した機械は機械指令によるCEマーキングの対象外です。 これらの製品の機械指令への最終的な適合性は、当社製品を含めたすべての部品を装置に組み込んだ完成状態でお客様にてご確認ください。
  • エコデザイン指令(2009/125/EC)
    エネルギー消費に関連する製品に適用されます。
    当社製品は当社評価による自己適合宣言をしています。
    当社製品では次の製品が対象です。
    • 最大効率時の入力が125W以上となるACプロペラファン
    • 定格出力が120W以上の三相インダクションモーター
    • 定格出力が120W以上の単相インダクションモーター(2023年7月1日から)
    これらのインダクションモーターには、効率クラスIE2以上が要求されます。
    冷却ファンを備えない全閉自冷形のインダクションモーターは、効率クラスは要求されませんがエコデザイン指令の対象です。
  • RoHS指令(2011/65/EU)
    RoHS指令についてはこちらをご覧ください。
  • 3-2.EN規格

    EN規格はEU加盟国共通の規格です。電気・電子分野のEN規格は、欧州電気標準化委員会(CENELEC)が担当しています。 電気・電子・通信分野を除く分野のEN規格は、欧州標準化委員会(CEN)が担当しています。

    • EN規格の第三者認証品
      EN規格の第三者認証を取得するためには、EN規格に基づき製品の評価を受けて設計・生産管理によりEN規格への適合を維持していく必要があります。そのため定期的な工場検査がおこなわれます。
      第三者認証機関としてはVDE(ドイツ)、TÜV Rheinland(ドイツ)、TÜV SÜD(ドイツ)などがあります。 第三者認証機関によってEN規格への適合が認められた製品にはそれぞれの認証機関のマークを表示しています。

    3-3.当社製品に適用しているEN規格

3-3-1.モーター、ファンに関するEN規格
  • EN 60034シリーズ Rotating Electrical Machines
    モーターをはじめとする回転電気機械の特性、保護等級、効率などに関するさまざまな要求事項を規定しています。
  • EN 60664-1 Insulation Coordination for Equipment within Low-Voltage Systems - Part 1:Principles, Requirements and Tests
    電源の定格が周波数30 kHz以下で交流1000 V以下、または直流1500 V以下の機器の絶縁距離、試験方法を規定しています。
  • EN 62368-1 Audio/video, information and communication technology equipment - Part 1:Safety requirements
    オーディオ・ビデオ、情報及び通信技術機器の安全要求事項を規定しています。
3-3-2.回路製品の電気安全に関するEN規格
  • EN 61800-5-1 Adjustable speed electrical power drive systems - Part 5-1:Safety requirements - Electrical, thermal and energy
    ステッピングモーター、サーボモーター、ブラシレスモータードライバの電気、熱およびエネルギーに関する安全要求事項を規定しています。
  • EN 62477-1 Safety requirements for power electronic converter systems and equipment ? Part 1:General
    半導体電力変換システムおよび装置の安全要求事項を規定しています。当社製品ではACスピードコントロールモーター、トルクモーター用の回路製品に適用されます。
  • EN 62368-1 Audio/video, information and communication technology equipment - Part 1:Safety requirements
    オーディオ・ビデオ、情報及び通信技術機器の安全要求事項を規定しています。
3-3-3.EMCに関するEN規格
  • EN 61000-6-4 Electromagnetic compatibility (EMC)- Part 6-4:Generic standards - Emission standard for industrial environments
    工業環境で使用する機器のエミッション(機器から外部への電磁波の放射)に関する要求事項を規定しています。
  • EN 61000-6-2 Electromagnetic compatibility (EMC)- Part 6-2:Generic standards - Immunity for industrial environments
    工業環境で使用する機器のイミュニティ(機器の外部からの電磁波に対する耐性)に関する要求事項を規定しています。
  • EN 61800-3 Adjustable speed electrical power drive systems - Part 3:EMC requirements and specific test methods
    ステッピングモーター、サーボモーター、ブラシレスモータードライバのEMC要求事項および試験方法を規定しています。
3-3-4.安全機能搭載ドライバに関するEN規格
  • EN ISO 12100 Safety of machinery - General principles for design - Risk assessment and risk reduction
    機械類を安全に設計するための設計原則およびリスク低減のための方法論を規定しています。機械類の安全性に関する最上位の規格です。
  • EN ISO 13849-1 Safety of machinery - Safety-related parts of control systems - Part 1:General principles for design
    機械類の安全機能のための制御システムに対して、パフォーマンスレベル(PL)a~eの5段階に区分にした要求事項を規定しています。
  • EN 61508シリーズ Functional safety of electrical/electronic/programmable electronic safety-related systems
    機能安全に対応するためのハードウェア、ソフトウェア、評価方法、マネジメントシステムなどの要求事項を規定しています。機能安全に関する最上位の規格です。
  • EN 61800-5-2 Adjustable speed electrical power drive systems - Part 5-2: Safety requirements - Functional
    ステッピングモーター、サーボモーター、ブラシレスモータードライバの機能安全に関する要求事項を規定しています。
3-3-5.電動アクチュエータに関するEN規格
  • EN ISO 12100 Safety of machinery - General principles for design - Risk assessment and risk reduction
    機械類を安全に設計するための設計原則およびリスク低減のための方法論を規定しています。機械類の安全性に関する最上位の規格です。
3-3-6.温度スイッチに関するEN規格
  • EN 60730-1 Automatic electrical controls for household and similar use - Part 1:General requirements
    家庭用及び類似の用途の機器の中、もしくはそれらの表面、またはそれらとともに使用する自動制御装置の安全一般要求事項を規定しています。一部の産業用機器も対象としています。
  • EN 60730-2-9 Automatic electrical controls for household and similar use - Part 2-9:Particular requirements for temperature sensing controls
    EN 60730-1が対象とする自動制御装置のうち、とくに温度検出制御装置に関する要求事項を規定しています。

3-4.製品含有化学物質規制

3-4-1.RoHS指令(2011/65/EU)

EUでは、電気・電子機器での特定有害物質の使用を制限するため、2006年7月からRoHS 指令(2002/95/EC)が施行され、鉛、 水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDE の6 物質が特定有害物質として使用が制限されました。
2011年6月に新たなRoHS指令(2011/65/EU)として改正され、2015年6月に委員会委任指令((EU) 2015/863)によってフタル酸エステル類4種(DEHP, BBP, DBP, DIBP)が追加され、10物質での規制となりました。

当社製品は2019年7月より10物質に対応しています。

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3-4-2.REACH規則 ((EC) 1907/2006)

EUにおける化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関する総合的な制度を規定する規則です。人の健康と環境の高いレベルでの保護、ならびにEU市場での物質の自由な流通の確保と、化学産業の競争力強化および革新を目的とし、2007年6月1日にREACH規則((EC) 1907/2006)として発効されました。
規制対象には物質・調剤/混合物・成形品が指定されており、それぞれで対応すべき内容が規定されています。

当社製品は、

  • 成形品として対応しています
  • 物質の意図的な放出はありません
  • 付属書XVIIで定める制限対象物質の制限用途における閾値を超える含有はありません
    (適用除外に該当する含有を除く)

SVHC(認可対象候補物質)に該当する物質を含有しています。
詳細は、お客様ご相談センターにお問い合わせください。

イギリス

3-5.UKCAマーキング

イギリスは2020年にEUを離脱し、CEマーキングからUKCAマーキングへの移行を進めてきました。UKCAマーキングの制度および対象となる製品は、現時点ではCEマーキングとほぼ同じです。 各EU指令に対応するイギリスの規則(Regulation)が制定されています。適合性評価のための技術基準はCEマーキングと共通のEN規格を使用します。
移行期間は2024年12月31日までとされていましたが、イギリス政府により、2023年8月1日に期限を定めずに延長することが発表されました。 当面はイギリス内で流通させるためにはUKCAマーキング、またはCEマーキングのどちらかを選択することができます。

UKCAマーク
UKCAマーク

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4. 北米

アメリカ合衆国

4-1.UL規格

ULは正式名称をUL LLC といい、1894年にアメリカ合衆国火災保険事業者組合によって設立されたUnderwriters Laboratories Inc. が前身の検査機関です。その目的は、火災その他の事故から人命、財産を保護するために機械、器具、材料の安全性を確保することにあります。 そのためULでは機械、器具、材料について種々の試験、研究をおこない、その結果としてそれらに関する規格(UL規格)を定めています。 ここで重要なことは、UL規格に合致した製品を作り、UL規格の定める安全検査に合格しなければ、アメリカ合衆国のほとんどの州において、製品の販売が事実上できないということです。これは州法で定められている場合はもちろんですが、そうでなくともたとえばUL規格認証品以外のものが原因で火災などが起きた場合、火災保険業者はその責任を負わないなどの規定があるため、アメリカの消費者が自然にUL規格認証品を求めてくるということもあるようです。したがって、製品をアメリカへ輸出・販売する際は、UL規格に対する認証を受けることが必要となる場合がほとんどです。 UL規格認証品は定期的な工場検査を受ける必要があります。
ULマークにはULの認証製品の中に組み込まれる形で使用される部品/材料としてULが評価し認証したことを意味するレコグナイズド・コンポーネントマークと最終製品に対するリスティング・マークがあります。

リスティング・マーク(UL によるUL 規格認証品)
リスティング・マーク
(UL によるUL 規格認証品)
レコグナイズド・コンポーネント・マーク(UL によるUL 規格認証品
レコグナイズド・コンポーネント・マーク
(ULによるUL規格認証品)

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4-2.当社製品へ適用しているUL規格

4-2-1. モーター、ファンに関するUL規格
  • UL 1004-1 Rotating Electrical Machines - General Requirements
    UL 1004 シリーズ共通のモーターの感電および火災の保護に関する安全要求事項を規定しています。
  • UL 1004-2 Impedance Protected Motors
    インピーダンスプロテクテドモーターの過熱保護を規定しています。
  • UL 1004-3 Thermally Protected Motors
    サーマルプロテクテドモーターの過熱保護を規定しています。
  • UL 1004-6 Servo and Stepper Motors
    サーボモーターとステッピングモーターの試験要求事項を規定しています。
  • UL 507 Electric Fans
    600 V以下のファンについて感電および火災の保護に関する安全要求事項を規定しています。
  • UL 60950-1 Information technology equipment - Safety - Part 1:General requirements
    IT機器、事務機器の安全要求事項を規定しています。
  • UL 62368-1 Audio/Video, Information and Communication Technology Equipment - Part 1: Safety Requirements
    オーディオ・ビデオ、情報及び通信技術機器の安全要求事項を規定しています。
4-2-2. 回路に関するUL規格
  • UL 508C Power Conversion Equipment
    入力供給電圧とは異なる周波数、または電圧で動作し、モーターを駆動するための電力を供給する機器に関する安全要求事項を規定しています。 当社製品はブラシレスモーター、ステッピングモーター用ドライバおよびインバータに適用しています。
  • UL 61800-5-1 Adjustable Speed Electrical Power Drive Systems - Part 5-1:Safety Requirements - Electrical, Thermal and Energy
    可変速電気駆動システムの電気、熱およびエネルギーに関する安全要求事項を規定しています。 当社製品はブラシレスモーター、ステッピングモーター、サーボモーター用ドライバに適用しています。
  • UL 60947 Low-Voltage Switchgear and Controlgear
    定格電圧が交流1000 V又は直流1500 V以下の開閉器、制御装置の安全要求事項を規定しています。 当社製品ではスピードコントロールパックおよびブレーキパックに適用しています。
  • UL 60950-1 Information Technology Equipment - Safety - Part 1:General Requirements
    IT機器、事務機器の安全要求事項を規定しています。
  • UL 62368-1 Audio/Video, Information and Communication Technology Equipment - Part 1: Safety Requirements
    オーディオ・ビデオ、情報及び通信技術機器の安全要求事項を規定しています。
4-2-3. 温度スイッチに関するUL規格
  • UL 60730-1 Automatic Electrical Controls - Part 1:General Requirements
    暖房、空調などの自動制御装置の安全要求事項を規定しています。
  • UL 60730-2-9 Automatic Electrical Controls For Household and Similar Use - Part 2:Particular Requirements For Temperature Sensing Controls
    自動制御装置のうち、温度検出制御装置の安全要求事項を規定しています。

4-3.有害物質規制法(TSCA)

人の健康又は環境を損なう不当なリスクをもたらす化学物質及び混合物を規制することを目的として、1976年10月11日に有害物質規制法(TSCA:Toxic Substances Control Act)が制定されました。

当社製品は第6条(h)項の成形品に該当します。
2021年1月6日付けの連邦官報で、難分解性・生体蓄積性及び毒性(PBT:Persistent, Bioaccumulative, and Toxic)を有する次の5物質およびこれらを含む成形品の、製造、加工および商業的流通を禁止・制限しています。

対象物質 CAS番号 適用開始
デカブロモジフェニルエーテル/decaBDE 1163-19-5 2021年3月8日
リン酸トリスイソプロピルフェニル/PIP (3:1) 68937-41-7 2024年10月31日
2,4,6トリ tert ブチルフェノール/2,4,6TTBP 732-26-3 2026年1月6日
ペンタクロロチオフェノール/PCTP 133-49-3 2021年3月8日
ヘキサクロロブタジエン/HCBD 87-68-3 2021年3月8日

当社製品は2023年6月より対応しています。

カナダ

4-4.CSA規格

CSAは正式名称をCanadian Standards Association といい、カナダ政府の諮問によって設立された民間の非営利検査機関です。 カナダでは、法律により、火災その他の事故から人命、財産を保護するために、電気機器、電気部品、ガス・石油燃料機器、安全器具などについて、その安全性がCSA規格に適合したもの以外は、使用、販売が禁止されています。 CSAはこれらの部品の安全性に関する要求事項をCSA規格として定めています。
CSA規格認証品は定期的な工場検査を受ける必要があります。 CSAマークはCSAによってCSA規格への適合が確認されていることを示すマークです。 2012年、従来のCSAマークの他に組み込み用部品に表示するCSAコンポーネント・アクセプタンス・マークが新たに設けられました。 CSA認証を取得した当社のファンは、このマークを表示しています。

CSAマーク(CSAによるCSA規格認証品)
CSAマーク
(CSAによるCSA規格認証品)
CSAコンポーネント・アクセプタンス・マーク(CSAによるCSA規格認証品)
CSAコンポーネント・アクセプタンス・マーク
(CSAによるCSA規格認証品)

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4-5.ULによるCSA規格認証

CSA規格の認証機関は、カナダの国家規格制度に対する権限を委託されたカナダ規格評議会(SCC)により管理されています。ULは、CSA規格の認証機関としてSCCにより認定されています。 そのためC-ULマークを表示した製品は、カナダでの使用・販売が認められます。

リスティング・マーク(UL によるUL/CSA 規格認証品)
リスティング・マーク
(ULによるUL/CSA規格認証品)
レコグナイズド・コンポーネント・マーク(UL によるCSA規格認証品)
レコグナイズド・コンポーネント・マーク
(ULによるCSA規格認証品)
レコグナイズド・コンポーネント・マーク(UL によるUL/CSA 規格認証品)
レコグナイズド・コンポーネント・マーク
(ULによるUL/CSA規格認証品)

4-6.当社製品に適用しているCSA規格

4-6-1.モーター、ファンに関するCSA規格
  • CSA C22.2 NO. 100 Motors and generators
    モーターに関する安全要求事項を規定しています。
  • CSA C22.2 NO. 77 Motors with inherent overheating protection
    自己過熱保護装置をもつモーターについて、C22.2 NO. 100 に付加した安全要求事項を規定しています。
  • CSA C22.2 NO. 113 Fans and ventilators
    ファンに関する安全要求事項を規定しています。
  • CSA C22.2 NO. 60950-1 Information Technology Equipment - Safety - Part 1: General Requirements
    IT機器、事務機器の安全要求事項を規定しています。
  • CSA C22.2 NO. 62368-1 Audio/Video, Information and Communication Technology Equipment - Part 1: Safety Requirements
    オーディオ・ビデオ、情報及び通信技術機器の安全要求事項を規定しています。
4-6-2.回路に関するCSA規格
  • CSA C22.2 NO. 274 Adjustable speed drives
    モーターの可変速電気駆動システムに関する安全要求事項を規定しています。 当社製品はブラシレスモーター用ドライバ、ステッピングモーター用ドライバ、サーボモーター用ドライバ、およびインバータに適用しています。
  • CSA C22.2 NO. 60947 Low-voltage switchgear and controlgear
    定格電圧が交流 1 000 V又は直流 1 500 V以下の開閉器、制御装置の安全要求事項を規定しています。 当社製品でスピードコントロールパックおよびブレーキパックに適用しています。
  • CSA C22.2 NO. 60950-1 Information Technology Equipment - Safety - Part 1: General Requirements
    IT機器、事務機器の安全要求事項を規定しています。
  • CSA C22.2 NO. 62368-1 Audio/Video, Information and Communication Technology Equipment - Part 1: Safety Requirements
    オーディオ・ビデオ、情報及び通信技術機器の安全要求事項を規定しています。
4-6-3.温度スイッチに関するCSA規格
  • CSA E60730-1 Automatic electrical controls - Part 1:General requirements
    暖房、空調などの自動制御装置の安全要求事項を規定しています。
  • CSA E60730-2-9 Automatic electrical controls for household and similar use - Part 2-9:Particular requirements for temperature sensing controls
    自動制御装置のうち、温度検出制御装置の安全要求事項を規定しています。

5. 中国

5-1. 中国強制製品認証制度(CCC制度)

中華人民共和国(中国)では、安全性などに関係のある製品に対してCCC制度が適用されます。
対象となる製品は、指定認証機関(中国品質認証センターなど)の認証を取得するか、あるいは指定試験機関で実施した試験結果に基づく自己宣言により、CCCマークを表示します。CCCマークのない対象製品は、中国への輸出入および中国国内での販売が禁止されています。

CCCマーク(GB規格認証品)
CCCマーク

5-2. 当社製品のCCC制度の対象と非対象の判断

CCC制度の対象品目は、国家認監委 2023年36号公告の付属書「強制製品認証目録の説明および適用範囲表」に規定されています。当社製品では、ACモーターおよび超低速シンクロナスモーターがCCC制度の対象です。なお、同付属書では小電力モーターに「制御モーター(サーボモーター、ステッピングモーターなど)は含まない」と記載があります。この規定により、当社のサーボモーター、ステッピングモーター、ブラシレスモーターは非対象です。さらに、電動ファンの備考欄には「CCC認証における電動ファン製品の範囲に該当しない典型的な製品 : 1. 単独では使用されず、設備の一部としてのみ使用されるファン。 2. 工業用用途のみに使用され、一般消費者が近づけないファン。」があります。これは当社のファンモーターの用途そのものですので非対象です。

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5-3. エネルギー効率規制

中国では、エネルギー効率規制の対象品目ごとにエネルギー効率ラベル実施規則が公布されています。 対象となる製品にはエネルギー効率ラベルを貼付する必要があります。 当社のACモーターはエネルギー効率ラベル実施規則の対象外ですが、エネルギー効率の基準を規定する中国の強制規格 GB 18613-2020 の適用範囲に該当する製品は同規格への適合を確認しています。
定格出力550W以上のサーボモーターはエネルギー効率ラベル実施規則の対象となります。当社のサーボモーターのうち定格出力600 W、750 Wの製品はこの実施規則に対応していません。

5-4. 当社製品へ適用しているモーターに関する規格

GB規格
GB(Guojia Biaozhum)規格は国家市場監督管理総局、および、国家標準化管理委員会が管理する中国の国家規格です。

  • GB/T 12350 Safety Requirements of Small-Power Motors
    CCC制度の対象品目である小電力モーターに関する安全要求事項を規定しています。
  • GB 18613 Minimum allowable values of energy efficiency and values of efficiency grades for motors
    出力120W以上の誘導電動機のエネルギー効率に関する要求事項を規定しています。
  • GB 30253 Minimum allowable values of energy efficiency and energy efficiency grades for permanent magnet synchronous motors
    出力550W以上の永久磁石同期電動機のエネルギー効率に関する要求事項を規定しています。

5-5. 電器電子製品有害物質使用制限管理弁法(中国版RoHS)

電器電子製品有害物質使用制限管理弁法(工業・情報化省第32号)は中国版RoHSとも呼ばれ、人の健康と環境の保護を目的とし、電気電子製品廃棄後にもたらされる汚染を抑制・削減するために、2016年7月に施行されました。
2019年11月には合格評定制度が施行され、対象となる電気電子製品は、第三者認証または自己宣言に基づく合格評定ラベルの表示が義務付けられました。
規制対象物質は鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDEの6物質です。
現在、EUのRoHS指令と合わせるためフタル酸エステル類4種(DEHP、BBP、DBP、DIBP)を追加する改正の準備が進められています。

当社製品は、合格評定制度の対象外です。

当社では、次の情報を中国WEBサイトで提供しています。

  • 製品中の有害物質または元素の名称および含有の有無
  • 製品の環境保護使用期限

6. 日本

6-1. 電気用品安全法

6-1-1. PSEマーク

2001年4月1日より電気用品取締法が、電気用品安全法に改正され施行されました。 新法の目的は「電気用品の製造、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性確保につき民間事業者の自主的な活動を推進することにより、電気用品による危険および障害の発生を防止することを目的とする」に変更され、旧法で政府が直接おこなっていた型式認可(試験)等の安全性チェックが、"第三者機関によるチェックを組み入れた製造事業者等による自己確認"に移行されました。 なお、電気用品安全法で規制される製品は、一般に家庭や事務所などで使用される電気用品で、危険性などによって特定電気用品と特定電気用品以外の電気用品に区分されます。 特定電気用品については、経済産業大臣が認める認定(承認)検査機関による適合性検査と適合性証明書の保存、およびダイヤモンドPSEマークの表示義務があります。 特定電気用品以外の電気用品については、技術基準適合およびサークルPSEマークの表示義務があります。

特定電気用品
特定電気用品
特定電気用品以外の電気用品
特定電気用品以外の電気用品

6-1-2. Sマーク

1995年7月電気用品取締法の改正により、日本の電気製品の安全確保体制は、従来の政府許認可制度から事業者による安全確認を基調とする制度に、大きく変化しました。 そこで、この「事業者による安全確認」をサポートし、消費者の安全を確保するために、欧米諸国と同様の、民間の専門的第三者機関による認証制度が設けられ、認証機関において安全認証サービスがおこなわれるようになりました。
この製品安全にかかわる認証は、電気用品の技術基準の省令を用い、製品のモデルごとの試験と工場検査によって認証を取得した製品に対して事業者はSマーク(例:S-JETマーク)を表示することができます。
S-JET認証品は年1回の工場検査を受ける必要があります。

S-JET マーク
S-JET マーク

6-1-3. 登録検査機関のかかわり

電気用品安全法下の対象製品における登録検査機関(第三者機関)のかかわりを体系的に示すと、以下の図のようになります。
ここでは、S-JETマークについて説明します。

電気用品安全法の対象となる製品

6-1-4. 当社製品に適用している規格

  • プロペラファンMUシリーズに関する電気用品安全法
    MUシリーズファン本体には電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈 別表第八が適用され、電源接続用コード(周辺機器)には、同別表第四を適用しています。
    • 別表第八:交流用電気機械器具並びに携帯発電機
      1の共通の事項、および2(41)の扇風機、換気扇、サーキュレーターおよび送風機を適用しています。
    • 別表第四:配線器具
      1の共通の事項、および6の接続器を適用しています。

6-2. 産業用ロボットに関する日本の法令・規格

6-2-1. 労働安全衛生法と産業用ロボット

労働安全衛生法は、労働安全衛生規則などの関連する政令、省令、通達などとともに労働災害防止のため事業者の責務、安全を確保するための技術上の指針をはじめ、様々な事項を定めています。
労働安全衛生法における「産業用ロボット」は、労働安全衛生規則によって「マニプレータ及び記憶装置(可変シーケンス制御装置及び固定シーケンス制御装置を含む。)を有し、記憶装置の情報に基づきマニプレータの伸縮、屈伸、上下移動、左右移動若しくは旋回の動作又はこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械」と規定されています。

産業用ロボットの可動範囲内でティーチング、検査、修理、調整などをする作業は、厚生労働省令で定める危険又は有害な業務の一つです。そのため、産業用ロボットを使用する事業者は、これらの作業をする人に産業用ロボットの特別教育を実施することが求められています。

次に当てはまる場合は、「当該機械の構造、性能等からみて当該機械に接触することによる労働者の危険が生ずるおそれがないと労働省労働基準局長が認めた機械」であるとして、産業用ロボットの特別教育の対象外とされています。

  • 駆動用原動機の定格出力が80W以下の機械
  • 固定シーケンス制御装置の情報に基づきマニプレータの一定の動作の単調な繰り返しを行う機械
  • 構造等からみて労働者に危険が生ずるおそれがないと労働省労働基準局長が認めた機械

6-2-2. 運転中の危険の防止と協働運転

労働安全衛生規則では、事業者は、運転中の産業用ロボットに接触することにより労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、「さく又は囲いを設ける等の危険を防止するために必要な措置」を講じなければならないとしています。

ただし、事業者の責任においてリスクアセスメントを実施し、産業用ロボットに接触することによる危険の生ずるおそれが無くなったと評価できる場合は、「労働者に危険が生ずるおそれのあるとき」に該当しないものとみなすことができます。評価結果は、「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に基づき記録し、保管する必要があります。

「さく又は囲いを設ける等」の「等」には、産業用ロボットの安全要求事項を規定するISO 10218-1, ISO 10218-2に基づいて設計、製造、設置、技術ファイル作成、及び適合宣言を実施し、かつ使用条件に従って適切に使用する場合が含まれます。また、産業用協働ロボットシステムの安全要求事項に関する技術仕様書ISO/TS 15066を確認することも必要です。
これらを満たすことで、安全柵を設けずに人と同じ空間で産業用ロボットを運転する協働運転を実施することも可能になります。

日本では、ISO 10218-1, ISO 10218-2、ISO/TS 15066は、それぞれJIS B 8433-1, JIS B 8433-2、TS B 0033として発行されています。

6-2-3. 主な法令・規格

  • 労働安全衛生法
    労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講じるなどの、労働災害の防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的としています。
  • 労働安全衛生規則
    労働安全衛生法を遵守するために必要な事項を定めた規則です。 産業用ロボットに関しては以下のように規定されています。
    第三十六条の三十一号 産業用ロボットの教示業務
    第三十六条の三十二号 産業用ロボットの検査・調整・確認業務
    第百五十条の三
    一. 産業用ロボットの作業規定
    二. 産業用ロボットを直ちに停止できるための措置
    三. 産業用ロボットの操作盤上のスイッチに対する誤操作防止対策
    第百五十条の四 産業用ロボットの運転中の危険防止(柵・囲いの設置など)
    第百五十条の五 産業用ロボットの検査・調整・確認業務における操作盤上のスイッチの管理、直ちに停止できる対策
    第百五十一条 教示作業前の点検と補修
  • 産業用ロボットの使用等の安全基準に関する技術上の指針
    技術上の指針 公示第13号 (昭和58年9月1日付)

    産業用ロボットの使用時における接触等による労働災害を防止するため、産業用ロボットの選定、設置、使用等に関する留意事項を定めています。
  • 産業用ロボットに係る労働安全衛生規則第150条の4の施行通達の一部改正について
    基発1224第2号 (平成25年12月24日付通達)

    産業用ロボットの運転中の危険の防止を規定した労働安全衛生規則第150条の4の留意事項に、リスクアセスメントに関する事項、「さく又は囲いを設ける等」の「等」にISO規格に基づく措置が含まれることなどを明確化しています。技術ファイル、適合宣言書に含めるべき内容も示しています。
  • JIS(日本産業規格)
    • JIS B 8433-1(ISO 10218-1)ロボット及びロボティックデバイス―産業用ロボットのための安全要求事項―第1部:ロボット
      産業用ロボットの本質的安全設計、保護方策、使用上の情報などに関する安全要求事項を規定しています。
    • JIS B 8433-2(ISO 10218-2)ロボット及びロボティックデバイス―産業用ロボットのための安全要求事項―第2部:ロボット
      システム及びインテグレーション
      産業用ロボットを組み込んだシステムの安全要求事項を規定しています。
    • TS B 0033 (ISO/TS 15066) ロボット及びロボティックデバイス―協働ロボット
      産業用協働ロボットシステム及びその作業環境の安全要求事項を記載しています。

6-3. 化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)

化審法は、人の健康や動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止することを目的とする法律です。
ポリ塩化ビフェニル(PCB)による環境汚染問題を契機に1973年に制定され、化学物質の上市前の審査及び上市後の継続的な管理により、化学物質による環境汚染を防止しています。

また、難分解性・高蓄積性・長期毒性を有する化学物質を、第一種特定化学物質に指定し、製造・使用および輸入を原則禁止(許可制)としています。
化審法は化学物質そのものと調剤/混合物を規制対象としており、それらを使用した成形品は対象外です。
(例:ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA))

当社製品は成形品に該当するため対象外です。

関連情報(経済産業省ウェブサイトへリンク)

法令・規格対応状況

当社製品のシリーズごとの法令・規格対応状況を一覧でご確認いただけます。

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