3-4. 巻き下げ運転

巻き上げ運転、巻き下げ運転(回生運転)

ワークを上下方向に運転するとき、上方向への運転を「巻き上げ運転」、下方向への運転を「巻き下げ運転(回生運転)」といいます。

巻き上げ運転における速度制御運転は、すべてのスピードコントロールモーターが対応できます。
(安全上、電源がOFFの状態で作動する、電磁ブレーキ付タイプを推奨しています)

対して、巻き下げ運転における速度制御運転では、対応できる機種が限られます。

巻き上げ運転・巻き下げ運転

ACスピードコントロールモーターでは、一部の機種を除き、基本的に巻き下げ運転をおこなえません。
コントローラは、モーターへの印加電圧を調整することで、速度を制御しているためです。
(印加電圧を上げるとモーターは加速し、印加電圧を下げるとモーターは減速します。)

ACスピードコントロールモーターで巻き下げ運転ができない理由

巻き下げ運転をおこなうと、ワークの自重によって外力がかかり、モーターは設定速度より速く回転します。
スピードコントローラは、モーターを減速させるため、モーターに印加する電圧を下げます。

しかし、モーターは外力により回転させられているため、印加電圧を下げてもモーター速度は遅くなりません。
最終的にはモーターに全く電圧がかからなくなり、ワークが落下する状態になります。

巻き下げ運転

しかし、ACスピードコントロールモーター DSCシリーズでは、巻き下げ運転時にモーターに対してブレーキ電流を流します。
この制御により、ACスピードコントロールモーターでも巻き下げ運転をおこなえます。

また、インバータやブラシレスモーターの場合も、回生電力を吸収できる機種であれば、巻き下げ運転をおこなえます。
回生電力の吸収能力は製品によって異なります。また、回生電力を吸収するための回生抵抗が必要です。
(詳細は、製品のカタログ等に掲載されている製品仕様を確認してください。他社インバータについては、インバータメーカーの仕様に沿ってご使用ください。)

回生電力とは

巻き下げ運転をおこなうと、ワークによる外力でモーターが回されます。
すると、モーターそのものが発電機として作用します。これにより発生する電力を、回生電力といいます。

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