コンパクト電動シリンダの選定 DRS2シリーズの仮選定

選定方法

(1)要求仕様の確認

装置の要求仕様を確認します。

駆動方向:垂直
搬送質量
m = 10[kg]
位置決め距離
L = 20[mm]
位置決め時間
T = 1[s]以内
駆動方向
垂直
停止精度
±0.01mm

(2)電動アクチュエータの仮選定

要求仕様から、以下の電動アクチュエータを仮選定します。

品名
DRSM42RG-04A2AZMK
リード
2mm
ボールねじの種類
転造ボールねじ
分解能
0.001mm
電源入力
DC24V

(3)位置決め時間の確認

アクチュエータが時間的に問題なく位置決めできるかを確認します。確認方法としては、グラフを見ておおよその位置決め時間を求める方法と、計算によってある程度正確な位置決め時間を求める方法があります。それぞれの確認手順を次に示します。
なお、実際の動作時間とは若干の誤差が生じますので目安としてください。

グラフから求める場合

位置決め距離20mmを動かす場合の位置決め時間をグラフより確認します。

位置決め時間 : 0.59s

要求されている位置決め時間1秒以内を満足できているため使用可能です。

位置決め時間を満足する場合は、運転速度、加速度を確認します。

運転速度 : 43mm/s
加速度 : 0.33m/s2(0.15G)

位置決め時間を満足しない場合は、使用する機種を再選定してください。
垂直方向取付時の位置決め距離-位置決め時間、位置決め距離-運転速度、位置決め距離-加速度

計算で求める場合

運転条件の確認
以下の条件を確認してください。
位置決め距離、起動速度、加速度、運転速度

上記の運転条件から、駆動パターンが三角駆動となるか台形駆動となるか確認
位置決め距離、起動速度、加速度、運転速度から、三角駆動した場合の、最大速度を算出します。算出された最大速度が運転速度以下の場合三角駆動になり、運転速度を超える場合は台形駆動となります。

\(\begin{align} V_{Rmax} &= \sqrt{ \frac{2 \cdot a_1 \cdot a_2 \cdot L}{a_1 + a_2} \cdot 10^3 + V_{S^2}} \\[5pt] V_{Rmax} & \leqq V_R \rightarrow \text{三角駆動} \\[5pt] V_{Rmax} & \gt V_R \rightarrow \text{台形駆動}\end{align}\)

位置決め時間の計算
<台形駆動の場合>

\(\begin{align}T &= T_1 + T_2 + T_3 \\[5pt] & = \frac{V_R - V_S}{a_1 \times 10^3} + \frac{V_R - V_S}{a_2 \times 10^3} + \frac{L}{V_R} - \frac{\left(a_1 + a_2 \right) \times \left(V_{R^2} - V_{S^2} \right)}{2 \times a_1 \times a_2 \times V_R \times 10^3} \end{align}\)

<三角駆動の場合>

\(\begin{align}T &= T_1 + T_2 \\[5pt] & = \frac{V_{Rmax} - V_S}{a_1 \times 10^3} + \frac{V_{Rmax} - V_S}{a_2 \times 10^3} \end{align}\)
三角駆動の場合
VRmax
三角駆動とした場合の算出された最大速度[mm/s]
VR
運転速度[mm/s]
Vs
起動速度[mm/s]
L
位置決め距離[mm]
a1
加速度[m/s²]
a2
減速度[m/s²]
T
位置決め時間[s]
T1
加速時間[s]
T2
減速時間[s]
T3
定速時間[s]

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