ブラシレスモーターって何?モーターの仕組みや構造はどんなものですか?
このコラムでは、ブラシ付のDCモーターとブラシレスモーターの違いについて、それぞれの構造と仕組みの観点からご紹介します。
- 学くん
照代さーん。教えてくださーい。
お客様からDCモーターのお問い合せがあったんですが、ドライバ回路を使用せずに直接DC24Vを入力してるようなんです。
そんなモーター、あるんですか?- 照代さん
- もしかしたら、ブラシ付のDCモーターかもしれないわね。
- 学くん
- えっ!そんなモーターあるんですか?
- 照代さん
- あら、学くんも小学校のころに、乾電池をつなぐと回る小さなモーターを見たことあるでしょ?
- 学くん
- そういえば、電池をつないでモーターを回したことがあります。
ブラシ付DCモーターとは
- 照代さん
- お客様からお問い合せいただいたモーターは、乾電池をつないで回すモーターと同じ構造になっているのよ。モーター内部に「ブラシ」と呼ばれる電極と、「コミュテータ」と呼ばれる整流子を設け、その二つを接触させ機械的に電流の切り替えをおこなってモーターを回転させているの。
こういう構造のモーターをブラシ付のDCモーターといってるのよ。【図1】 -
【図1】ブラシ付のDCモーターの構造
- 学くん
- ブラシとコミュテータですか。ふーん。オリエンタルモーターにも「ブラシ」という言葉の付くモーターで、ブラシレスモーターがありますが、関連はあるんですか?
ブラシレスモーターとは
- 照代さん
- ブラシレスモーターは、ちょっと構造が違うの。
「ブラシ」「コミュテータ」のような機械的な接点ではなく、トランジスタなどのパワー素子で構成された駆動回路の電子回路(ドライバ回路)を使い、電気的に電流の切り替えをおこなってモーターを回転させているの。 -
【図2】ブラシレスモーターの構造
- 学くん
- なるほど!ブラシレスとは、その名の通りブラシが無いということなんですね。
- 照代さん
- その通りよ!
- 学くん
- 照代さんの説明でブラシの有る、無しの違いはわかったんですが、お客様が使う上での違いはありますか?
ブラシ付DCモーターとブラシレスモーターの違いとは
- 照代さん
- そうね、一番違うところは、メンテナンス性かな。
ブラシ付のDCモーターは、ブラシとコミュテータという電極が接触しながら回っているから磨耗してしまうの。だから、必ず交換メンテナンスが必要になるのよ。
でも、ブラシレスモーターなら電子回路(ドライバ)を使っているから、メンテナンスは不要なのよ。 - 学くん
- そうだったんだ。ブラシレスモーターならお客様にはメンテナンスの手間がかからないんですね。メンテナンス性については、お客様にとっても重要ですからね。
- 照代さん
- それとモーターの回転速度の安定性かな。
ブラシ付のDCモーターは、負荷が変化すると回転速度も変化してしまうけど、ブラシレスモーターは、負荷が変化しても安定した速度制御が行えるの。ホールICと呼ばれる磁気センサを搭載し、フィードバック制御を行ってモーターの状態を確認しているからなのよ。また、過負荷になった場合やケーブルの接続不良、断線などの異常が発生した場合、モーターを停止させると同時にアラーム信号を出力してくれるの。【図2】 - 学くん
- なるほど、ブラシレスモーターは奥が深いんですね。
- 照代さん
- そうでしょう。実は省エネなど、メリットはまだまだあるのよ。学くんはeラーニング(ブラシレスモーターの基礎)があるのは知っているかしら?
- 学くん
- あるのは知っているのですが、見てません…。
- 照代さん
- ブラシレスモーターの仕組みや構造・動作原理、メリットと体系立てて学べるからおすすめよ。
- 学くん
- はい、わかりました!eラーニングも使って勉強します!さっきのお客様からのお問い合わせは、ブラシ付のDCモーターからの置き換えのご相談だったので、ブラシレスモーターのたくさんのメリットと、今教わったメンテナンスフリーのことなどをご説明して、置き換えていただけるようにがんばります。
今回のポイント
ブラシ付きのDCモーター
ブラシとコミュテータを接触させ、機械的に電流の切り替えを行ってモーターを回転させている。
ブラシレスモーター
ブラシ、コミュテータなどの機械的接点が無いモーター。
ホールIC(磁気センサ)を搭載したモーターを、ドライバ回路によって制御することで回転させている。
ブラシレスモーターのメリット(一部)
機械的接点がないため、メンテナンスは不要
負荷が変化しても安定した速度制御ができる
- 2022年4月19日 最新の情報に更新しました。