モーターの選定 選定事例 - インデックス機構
(1)駆動機構部の仕様と運転条件
インデックステーブルのような大慣性の駆動には、ギヤードステッピングモーターが適しています。
- テーブルの直径
- DT = 300[mm]
- テーブルの厚さ
- LT = 5[mm]
- テーブルの材質
- アルミニウム(密度ρ = 2.8×103[kg/m3])
- ワークの直径
- DW = 40[mm]
- ワークの厚さ
- LW = 30[mm]
- ワークの数量
- 10個(36°ごとに配置)
- ワークの材質
- アルミニウム(密度ρ = 2.8×103[kg/m3])
- テーブルの中心からワークの中心までの距離
- l = 120[mm]
- 位置決め角度
- θ = 36°
- 位置決め時間
- t0 = 0.25秒
RKⅡシリーズPSギヤードタイプ(減速比10、分解能/パルス=0.072°)を使用できます。
PSギヤードタイプは、慣性駆動の起動停止トルクを瞬時最大トルクの範囲まで使用できます。
- 減速比
- i = 10
- 分解能/パルス
- θS = 0.072°
(2)運転パターンの決定
①動作パルス数A[パルス]の計算
②加速(減速)時間t1[s]の決定
加速(減速)時間はそれぞれ位置決め時間の25%が適当ですが、ここでは
t1=0.1[s]とします。
③運転パルス速度f2[Hz]の計算
④運転速度NM[r/min]の計算
(3)必要トルクTM[N・m]の計算
①負荷トルクTL[N・m]の計算
摩擦負荷は微小なため省略し、負荷トルクは0と考えます。
TL=0[N・m]
②加速トルクTa[N・m]の計算
②-1負荷慣性モーメントJL[kg・m2]の計算
(I-4ページ、計算式参照)
テーブルの慣性モーメント
ワークの慣性モーメント
(ワーク中心軸回り)
ワーク質量
回転中心に対するワークの慣性モーメントJW[kg・m2]は、ワーク中心とテーブル回転中心の距離l[mm]、ワーク質量mW[kg]、ワーク中心軸回りのワーク慣性モーメントJW1[kg・m2]より求めることができます。
ワーク個数がn=10[個]より、
ワークの慣性モーメント
(テーブルの回転中心回り)
負荷慣性モーメント
②-2加速トルクTa[N・m]の計算
ギヤ出力軸の加速トルクを求めます。
加速トルクをパルス速度で求める場合は、以下のようになります。
計算結果は同じです。
③必要トルクTM[N・m]の計算
安全率Sf=2として計算します。
(4)モーターの選定
①モーター仮選定
品名 | ローター慣性モーメント [kg・m2] |
必要トルク [N・m] |
---|---|---|
PKE566AC-PS10+RKSD507-AD | 270x10-7 | 2.45 |
②回転速度―トルク特性よりモーターの決定
PSギヤードタイプでは、慣性負荷の起動・停止時の加速トルクが、瞬時最大トルクの範囲まで使用することができます。
運転速度と必要トルクで表される運転領域が回転速度―トルク特性のプルアウトトルクの内側に入っているので、使用可能です。
この選定結果をより確実なものとするため、イナーシャ比と加減速レートを確認します。
(5)イナーシャ比の確認
PKE566AC-PS10の減速比は10なので、イナーシャ比は以下のように計算します。
PKE566AC-PS10のモーター部はPKE566ACに相当します。そのイナーシャ比は10以下のため、9.85であれば運転可能と判断できます。
(6)加減速レートの確認
加減速レートTRの単位は[ms/kHz]であることに注意して計算します。
PKE566AC-PS10のモーター部はPKE566ACに相当し、その加減速レートは20[ms/kHz]以上のため、30[ms/kHz]であれば運転可能と判断できます。
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