2. インバータ制御とブラシレスモーターの違い

モーターの速度を調整するという機能を持った製品ではインバータが良く知られています。
インバータは、モーターに供給する電圧や周波数を変化させることで、速度を調整しています。
インバータのメリットとして4点があげられます。

①簡単にモーターの可変速ができる
②ソフトスタート、ストップができる
③電源周波数(50/60Hz)に関係なく速度設定ができる
④回転方向をパワーリレーなどの接点を用いずに変更ができる

ブラシレスモーターはインバータのメリットに加えて、さらに4つの特徴をもっています。

①小型・軽量・高出力

②高効率・省エネモーター

③速度安定性

④幅広い速度制御範囲・フラットトルク

本章では、この4つの特徴について説明します。

2-1. ブラシレスモーターの特徴「小型・軽量・高出力」

2-1-1 モーター構造の違い

インバータ駆動のモーターは三相モーターを使用し、ブラシレスモーターは専用のモーターを使います。
ここではそれぞれのモーターの構造と動作原理について説明します。

三相モーター(インバータ駆動)
3-Phase Induction Motor
ブラシレスモーター
Surface Permanent Magnet Motor
モーター区分 誘導電動機 同期電動機
内部構造
回転子
(ローター)
積層鋼板とかご型導体
(アルミ部に誘導電流が流れる)
磁石
固定子
(ステーター)
三相巻線(スター結線)
回転原理 ステーターで作られる回転磁界によって、ローター(二次巻線)側に誘導電流が流れる。
ローターの誘導電流とステーターの回転磁界の作用によって回転力(トルク)を得る。
ステーターの回転磁界とローターの磁石とが同期する事で回転力(トルク)を得る。

モーター部の内部構造の大きな違いは回転子(ローター)です。
三相モーターのローターはアルミダイカストで形成されたかご型の導体で構成されています。
ステーターコイルで作られる回転磁界によって、かご型導体部に誘導電流が流れ、誘導電流とステーターの回転磁界との作用によって回転します。

2-1-2 外形、出力比較

2-1-1 モーター構造の違いで紹介した通り、モーター内部の回転子(ローター)の構造が異なることから、同じ取付角のモーターで比較するとブラシレスモーターが薄型で高出力であることが分かります。

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