3-3. インクリメンタルシステムとアブソリュートシステム
インクリメンタルシステムとアブソリュートシステムのポイントは電源がOFFした後に、位置情報を保持しているか、していなかになります。
まずは、2種類のシステムについて説明します。
3-3-1. インクリメンタルシステムについて
インクリメンタルシステムは、電源がOFFの時に位置情報が消失するため、電源投入後の位置を0点(原点)と認識してしまいます。
そのため、通常のステッピングモーターやサーボモーターは、外部にセンサを設け原点復帰動作させるのが一般的です。
また、装置の主電源を投入するときは、必ず原点復帰動作が必要です。


3-3-2. アブソリュートシステムについて
アブソリュートシステムは、ドライバの電源がOFFした後も位置情報を保持しています。
そのため、初めに原点位置を設定すればドライバの電源が切れたとしても、その位置情報を覚えておくことができます。

電源投入後の原点復帰動作を毎回する必要がないため、外部センサも不要となり省配線で使用することができます。

ただし、通常の場合はドライバにバッテリを接続しておく必要があります。このバッテリには寿命があり、一般的には約2年程度です。
それに対し、AZシリーズはバッテリなしで原点情報を保持することができます。
理由として3-2. AZシリーズの構造で説明した通り、ABZOセンサがモーターに搭載されているからです。
3-3-3. パレタイジングの途中で再起動させた場合の動きの違い
パレタイジングの動作を例にインクリメンタルシステムとアブソリュートシステムの動きの違いについてご紹介します。
作業の途中に異常があり電源をOFFし、運転再開のために電源をONしたあとの挙動を指しています。

インクリメンタルシステムの場合は、原点情報を保持していないため電源再投入後は原点を把握するためにセンサ等を使用し原点復帰が必要になります。
場合によっては、原点復帰をする際に既にセットしたワークに接触する可能性があるため、仕掛品を取り除く手間が発生します。

次にアブソリュートシステムです。
電源をOFFしても原点情報を保持しているため、電源再投入前の作業の途中から続けることができます。
アブソリュートシステムは、より早く装置稼働の復旧ができ時間のロスを減らすことができます。

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