3-2. AZシリーズの構造
αSTEPの代表機種として、ARシリーズとAZシリーズがあります。
この章では、モーターの構造からセンサの位置検出原理、メリットまで説明します。
3-2-1. モーターの構造
ARシリーズ同様、モーター部の構造はステッピングモーターと同じです。大きな特徴としては、モーターの反出力軸側に新開発のABZOセンサ(特許取得)を搭載し、バッテリレスアブソリュートシステムを構築しています。

ABZOセンサについて、アナログ時計を例にご説明します。
アナログ時計は秒針、長針、短針の位置を見て今何時であるかを把握します。
実際にABZOセンサは、時計の針に該当するギヤを4つ搭載しており、その4つのギヤの位置をセンサ(目)で検出し位置情報を認識します。
基準となる原点から、モーター軸で±900回転(1800回転分)※の絶対位置が検出可能です。
※ 取付角寸法20mm、28mmは±450回転(900回転分)です。

3-2-2. ABZOセンサの構造
ABZOセンサの位置検出原理と構造についてご紹介します。
ABZOセンサはモーターシャフトに設置した磁石と、その周りに配置した歯車に設置した磁石の、磁束の向きを読み取って座標を検出しています。
こちらはモーターシャフトに設置した磁石です。
この磁石は、中心に2極の着磁面、外周に多極の着磁面を持っています。
中心の2極着磁面から出ている磁束の向きを読み取ることで大まかな座標を検出し、
同時に外周の多極着磁面から読み取れる磁束の位相と組み合わせ、精密な位置座標を算出しています。
中心のモーターシャフトに1つの歯車(1st歯車)を配置し、その歯車から並列に2列の歯車列を持つ構造となっています。

第1列は2段構成の歯車(1st/2nd 歯車、2nd/3rd歯車)、第2列は1段構成の歯車(1st/4th歯車)が配置されています。

3-2-3. ABZOセンサの位置検出原理
例えば、初期状態から任意回転数動かした場合の座標算出原理のイメージです。
初期状態であれば、矢印が全て左を向いています。

しかし、任意回転数分動かした場合、矢印の向きが異なるのが分かります。

このように、それぞれの歯車対は歯数差を持っており、モーターシャ フト1回転ごとにかみ合う歯車の位相が変化します。
この歯数比から生じる位相差を利用して1歯単位で歯車位相を検出し、その位相の組み合わせから多回転座標を算出しています。
全歯車の位相は1800 回転で初期の位相に戻るように設計しています。
これにより、ABZOセンサは1800 回転分の多回転座標が検出可能です。
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